2002 Fiscal Year Annual Research Report
在宅医療における医療廃棄物の取扱いと感染管理教育に関する研究
Project/Area Number |
14572231
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
鶴田 来美 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (30258983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 ひとみ 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (90183607)
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Keywords | 在宅医療廃棄物 / 訪問看護 / 感染管理 / リスクアセスメント |
Research Abstract |
在宅医療廃棄物の取り扱いの現状と課題を明らかにすることを目的に、平成14年8月〜9月、M県、Y県、K県の訪問看護ステーションの訪問看護師を対象に、質問紙調査を実施した。 その結果、在宅で訪問看護師が扱ったことのある医療廃棄物の中で多かった物は、ガーゼ(91.6%)、紙おむつ(91.6%)、脱脂綿(86.7%)、ディスポーザブル注射器(81.9%)、輸液セット(81.9%)、膀胱留置カテーテル(57.8%)、ストーマバッグ・パウチ(57.8%)で、在宅でも病院と同様の医療廃棄物が排出されていることが明らかになった。そして、利用者から処理に関しての質問や相談を受けた者は28.9%で、訪問看護師自身が処理について困惑している現状もみられた。 注射針の処理については、利用者宅で保管されているものが、(1)病院を経由して処理業者で処理される、(2)訪問看護師がステーションに持ち帰る(3)利用者・家族が家庭廃棄物として処理する、の3通りの廃棄方法があり、訪問看護ステーションによって異なっていることが明らかとなった。自宅で治療を継続する者が、安全かつ簡便に注射針を処理するためには、処理方法の選択肢が複数あった方が望ましいが、それぞれについてリスクアセスメントを十分に行う必要がある。 在宅医療廃棄物の処理については、現在のところ法的な規制がなく、医療機関や訪問看護ステーション等の自主性に委ねられているのが現状である。利用者や家族だけでなく、訪問看護師自身もその処理に困惑している理由として、感染源となる可能性となる在宅医療廃棄物があること、訪問看護の利用者は虚弱な高齢者が多く、ひとり暮らしや同居家族も高齢であり、利用者が医療機関に廃棄物を持ち込むことが困難であることが考えられる。今回の調査で、在宅でも病院と同様の医療廃棄物が排出されていること、高齢の対象者が多いことを考慮した対策の必要性が示唆された。
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