2003 Fiscal Year Annual Research Report
在宅医療における医療廃棄物の取扱いと感染管理教育に関する研究
Project/Area Number |
14572231
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
鶴田 来美 宮崎大学, 医学部, 講師 (30258983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 珠代 宮崎大学, 医学部, 助手 (30363584)
前田 ひとみ 宮崎大学, 医学部, 助教授 (90183607)
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Keywords | 在宅医療廃棄物 / 感染管理 / 紙おむつ / 手指汚染 |
Research Abstract |
前年度の在宅医療廃棄物の取扱い調査で、在宅医療に携わる訪問看護師の9割以上が在宅で紙おむつを取扱っていること、紙おむつの取扱いや処理方法はさまざまであることが明らかになった。家庭で使用した紙おむつは家庭で保管され一般ごみとして廃棄される。そのため、排泄ケア時の手指の汚染やその伝播状況を明らかにすることは、日常生活環境汚染の予防につながり、感染管理教育上重要である。そこで、今回おむつ交換時の適切な手洗いの時期を探るために、各動作時の手指汚染の状態を調査した。 対象は、事前に施設長に研究の趣旨を説明し、研究協力の同意が得られた老人保健施設1ヶ所と介護療養型病棟1ヶ所の介護士で、介護士には個別に研究の趣旨を説明し、研究協力は自由であること、検体は個人が特定されない旨を説明した。おむつの種類はA施設が紙おむつで、B施設は布おむつであった。大腸菌群の培養は、パームスタンプチェック(日研生物医学研究所、京都)を用いた。検体は(1)おむつ交換前にゲル状速乾性手指消毒剤で手指を消毒した直後、(2)便で汚染されたおむつを取り外した直後、(3)新しいおむつを装着し衣服を整えた直後、(4)ゲル状速乾性消毒剤で手指を消毒した直後に、それぞれ両手指を培地に片手ずつ密着させて採取した。その結果、大腸菌群は便処理後に両手共にコロニー数が増加していたが、交換後は減少していた。左右を比較すると便処理後の左手指の方が右手よりも汚染傾向にあった。紙おむつと布おむつとを比較した場合、布おむつの使用の方が手指から検出されるコロニー数が多かった。紙おむつは尿を拡散しないような加工が施されているが、布おむつの場合は全体的に汚染されると考えられる。また、右手よりも左手の方が汚染しているのは、右手は紙やタオルを介してケアするが、左手は身体を支えるために直接臀部に触れるためだと考えられる。今回の結果から、環境の汚染を防ぐためには、便処理後、新しいおむつに交換する前に消毒又は手袋の交換を行う必要が示唆された。
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