医療事故の危険予測能力を育成するコンピュータ支援教育システムの開発

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14572235
• Research Institution: Iwate Prefectural University
• Principal Investigator: 石井 トク 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (10151325)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 片町 健太郎 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 助手 (40305305) ; 野口 恭子 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (00263674)
• Keywords: 医療事故 / 危険予測 / 教育

Research Abstract

医療事故、過誤の誘発には医療・看護体制などの組織的問題と、医療従事者個人の専門的知識、判断力などの能力が影響している。個人の能力については、教育と自発的学習の積み重ねによって高めることが可能である。本研究は、危険予測能力に注目し、その能力を高める教育プログラムを開発することが目的である。
本年度は、危険予測能力を評価するための内容を検討し、「危険予測能力評価項目」を作成することを課題とし、次の2側面から危険予測能力を評価するための内容を検討した。
1.医療事故・ニアミス事例の収集と分析
医療現場、臨床における危険予測について分析するために医療事故・ニアミス事例を収集した。病院における事故・ニアミス105例と在宅における事故・ニアミス41例、計146例の状況から危険予測と危険回避のポイントを分析した。
2.看護学生に対する質問紙調査
看護基礎教育における学生の危険予測能力を把握するために、I大学看護学部の1年生100名、2年生100名、3年生90名のうち調査協力の得られた92名、89名、78名を対象に、日常生活における危険予測に関する質問紙調査を実施した。危険を予測する思考を知るため、調査内容は、日常生活で遭遇する3つの状況を設定し、その状況から起こり得ると考えられる可能性の記述とした。回答は自由記述形式とし、できるだけ具体的に記述してもらった。記述された回答を種類別に分類し、内容分析の途上である。今後、学年別の比較をする予定である。
以上の医療事故における危険予測と日常生活における危険予測の分析結果から、危険予測能力に欠かせない評価の視点を明らかにした。