2004 Fiscal Year Annual Research Report
医療事故の危険予測能力を育成するコンピュータ支援教育システムの開発
Project/Area Number |
14572235
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
石井 トク 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (10151325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 恭子 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (00263674)
片町 健太郎 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 助手 (40305305)
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Keywords | 医療事故 / 危険予測 / 教育 / CAI |
Research Abstract |
医療事故・過誤の誘発には医療体制、看護体制などの組織的問題と医療従事者個人の専門的知識、判断力などの能力が影響しており、危険予測能力は、教育と自発的学習の積み重ねによって高まるものである。本研究の特色は「危険予測能力」に注目し、学習者の個別性に応じた反復学習と意思決定形成に有効であるCAI教材の長所を活かして危険予測プログラム教材を作成したことである。 平成14年度は看護学生を対象とした質問紙調査から、危険予測能力に関する6つの視点を明らかにし、146件の医療事故・ニアミス事例の分析から、危険予測と危険回避のポイントを明らかにした。平成15年度には、前年度の知見をもとに、10事例のペーパーシュミレーションを作成した。1例をCAI教材として試作し、設問に対する選択肢の設定が学習者の思考に対応しきれないという改善すべき課題が明らかになった。 1.看護師を対象とした質問紙調査 前年度の課題をふまえ、臨床で働く看護師100名を対象に危険予測に関する質問紙調査を実施した。看護学生と看護師の回答を比較すると危険予測については看護師のほうがより具体的な状況がイメージされていた。これらの違いは、必要な観察に基づいた状況把握が具体的に出来るか否か、状況に関連した知識を活用できるか否かが影響していると考えられた。 2.CAI教材の試作と評価 ペーパーシュミレーションの課題と上記調査結果からの知見を踏まえて、(1)状況を把握するために必要な観察、(2)危険を予測するために必要な知識、(3)危険回避・危険予防に必要な知識、(4)具体的な危険予防・危険回避行動に関する知識、(5)危険予防・回避行動を阻害する思考、の5つの要素を取り入れたCAI教材を作成した。教材の評価については、研究協力の得られた看護学生10名にCAI教材を使用して反復学習をしてもらい、反復学習によって学生の危険予測能力が高まることが明らかになった。
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