2002 Fiscal Year Annual Research Report
特別養護老人ホームにおけるターミナルケア充実のための要件-看護職の役割を中心とし
Project/Area Number |
14572249
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
岩本 テルヨ 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (80285444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 美幸 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00336314)
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Keywords | ターミナルケア / 特別養護老人ホーム / 看護職 |
Research Abstract |
本年度は、主として特別養護老人ホームにおけるターミナルケアと看護職の役割の実態を明らかにするため、全国老人福祉施設名簿(平成12年版)から無作為抽出した特養1000施設の看護職を対象に郵送による質問紙調査を行った。その結果、431施設の看護職より回答が得られた(回収率43.1%)。結果の概要は次の通りである。 1.施設・入所者及び職員の概要 対象施設の開設後年数は13.3±9.0、入所者数は66.9±24.8、入所者平均年齢は84.0±1.9であった。調査時ターミナル期にあった入所者は2.2±2.7人であった。平成13年の入所者死亡数は10.3±5.9、うちホーム内死亡者数は4.3±5.2であり、平成9年以降ほぼ同じ数値で経過している。平成13年のホーム内死亡者の年齢は91歳以上(32.9%)が最も多く次いで86〜90歳(28.0%)であり、死亡病名は老衰(33.3%)、心疾患(21.6%)、肺炎(18.6%)の順であった。常勤の職員数は医師0.06±0.2、看護師1.5±1.4、准看護師2.1±1.4、介護職員21.8±10.4、生活相談員1.5±1.0、機能訓練相談員0.5±0.6等であった。常勤看護師のいない特養は26.6%あった。 2.ターミナルケアと看護職の役割の実態 ターミナルケアに関する施設の現在の対応は、「希望があれば看取っている」(64.6%)が最も多く、次いで「死亡直前期以外の対応はしているが、直前期には病院に移している」(18.5%)の順であった。「積極的に看取っている」は8.7%であったが、将来は「ターミナルケアに積極的に取り組んでいきたい」と考える割合は15.9%と倍増を示した。ターミナルケアにおいて看護職が最も時間を費やしている業務は、状態観察把握、医療的処置、日常生活の援助、医師との連絡調整の順であった。ターミナル期の入所者がいる場合、9.8%の施設が看護職の夜勤宿直を(状況に応じて)実施していた。ターミナノレケアにおいて高度な処置を含む52医療的処置全てが実施され、看護職は52項日中48医療的処置の主たる実施者であった。医療的処置に関する医師と看護職との打ち合わせは不定期(41.3%)が最も多く、次いでほぼ毎日(24.7%)であり、打ち合わせ時間は30分以内(85.8%)が最も多かった。医療職外の職員に対する医療的処置に関する教育・指導は84.7%の施設が実施しており、それに看護職が最も多く(44.7%)あたっていた。医療処置を実施する中で問題に感じることに、家族の協力・連携(11.8%)が最も多くあげられ、医師との連絡・連携(11.6%)、看護職の勤務体制(夜勤等)(10.5%)、介護職員の理解(9.7%)、介護職員の技術力(9.6%)等があった。
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Research Products
(1 results)