地域における子どもの虐待防止を目指したグループ・ミーティングの効果に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14572258
• Research Institution: Kanagawa Prefectural College of Nursing and Medical Technology
• Principal Investigator: 北岡 英子 神奈川県立衛生短期大学, 専攻科(保健学専攻), 講師 (10249063)
• Keywords: 子ども / 虐待 / グループミーティング / 効果 / フェイススケール / 育児困難 / 地域 / フォーカスグループインタビュー

Research Abstract

地域の子どもの虐待防止を目指したグループミーティング(以下、グループ)の効果について明らかにするため、平成15年度は下記の事項を実施した。
1.グループミーテイングの効果測定のための概念枠組みと尺度の再考
平成14年度は、グループの効果を測定するための枠組みと評価項目について検討し、尺度(清水洋子作成)を考案した。平成15年度はこの尺度の項目:1)子育てにおける対人関係問題領域、2)グループ参加の直接的効果、3)母親・子どものフェイススケール、4)運営方法、5)満足度について更に検証するために尺度を用いてグループ利用者(母親)に対して調査を実施した。この調査結果より、考案した尺度はグループ利用者の変化を継続的に測定することが可能であること、利用者自身が回答することで自己の子育ての振り返りが可能であること、支援者側と利用者の捉え方との相違を確認できることによって支援の手がかりが得られること、上記の尺度項目に基づいてグループ支援の効果を総合的に捉えることが可能であることなど尺度の適用可能性が確認された。
2.フォーカスグループインタビュー調査の実施
グループ支援の効果を明らかにするために、グループ支援に関わる複数の機関の保健師を対象としてフォーカスグループインタビュー調査を実施した。これにより、支援者側からみたグループ支援による利用者の変化(効果)について検討を重ねた。さらに、グループ支援に関わる保健師ら専門職自身の変化を明らかにし、支援に求められる知識・技術・態度および連携方法などについて検討した。次年度は、より多くのグループの利用者に対して継続的に調査を実施し尺度の検討を重ねること、インタビュー調査を基に専門職がグループ支援に求められる能力と能力向上を測定するための尺度の検討に取り組む予定である。