2005 Fiscal Year Annual Research Report
地域における子どもの虐待防止を目指したグループ・ミーティングの効果に関する研究
Project/Area Number |
14572258
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 洋子 東京医科歯科大学, 保健衛生学研究科, 講師 (90288069)
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Keywords | 子ども / 虐待 / グループ・ミーティング / 効果 / フェイススケール / 育児困難 / 地域 |
Research Abstract |
本年度は、子どもの虐待予防のためのグループ・ミーティング(以下、G)参加者の効果と尺度の信頼性・妥当性の検証を目的とした。対象は、関東、関西圏の保健所、保健センター計6機関のG参加者(母親)計61名とした。尺度の妥当性は、G支援担当者と研究者によりG支援の目的・目標と効果測定項目が合致しているか、設問の表現の妥当性・倫理的問題の有無等を審議し妥当であると確認した。尺度20項目の信頼性α係数は0.84であった。項目の重要度は、階層分析法を用いた項目間の一対比較調査をG担当者・参加者計21名に実施し重み付け係数を算出し、各回答の得点に掛け合わせてスコア化した。結果:1.20項目中"自分の子ども時代の親子関係を振り返る"0.108が最も重要度が高く、次いで"自分と夫との関係を振り返る"0.090、"グループに自分の気持ちを共感してくれる人がいる"0.074の順であった。2.[育児困難感]と[子育て罪悪感][子どもとの関係][共感・受容・孤独感][対処][グループの必要性]、[子育て罪悪感]と[子どもとの関係][共感・受容・孤独感][対処]、[子どもとの関係]と[共感・受容・孤独感]、[共感・受容・孤独感]と[対処][グループの必要性]、[対処]と[グループの必要性]には有意な正の相関があった。3.参加後、中項目[共感・受容・孤独感]は改善が最も高く、次いで[育児困難感][子どもとの関係][子ども以外との関係]の順であり、16項目に有意な改善を認めた。4.参加者の[Gの直接的効果]の改善の値が中央値より高いものを改善高群、低いものを改善低群と2つ群に分類し他の項目の改善との関連を検討したところ、改善高群には[母と子の関係][子以外との関係]の改善が有意に高かった。したがって[G直接効果]の改善は、[母と子の関係]・[子以外の関係]の改善と関連があり、G支援は有効であると示唆された。
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