2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経難病療養者における支援サービスに対する意志決定と支援提供のあり方に関する研究
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14572262
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
小西 かおる 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (60332376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 祥子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (30291941)
小倉 朗子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (60321882)
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Keywords | 神経難病 / 意思決定 / 支援サービス / 支援提供 / 在宅ケア |
Research Abstract |
1.国内外の文献レビュー 1990年以降の国内の文献についてレビューを行った。全体の3割以上が看護関連のものであり、1995年以降に文献数が増加していることから、介護保険の導入に伴い「意思決定」に着目した研究が看護領域で注目されていることが明らかにされた。領域別に見ると、地域看護(在宅ケアを含む)、終末期、療養行動の決定に関するものが多く、疾患別では、ALS、糖尿病、人工透析等の慢性疾患が主であった。これらの文献から、自己決定による療養は療養者のQOLを高める、日本人の文化的背景や人間関係(多くは家族関係)により、療養者の自己決定を尊重できない場合がある、ということは明らかにされたが、療養者の自己決定かかわる要因について明らかにしたものや、自己決定にかかわる具体的な方法論についての文献は見られなかった。 2.意思決定にかかわる要因の分析 特に意思決定が重要である人工呼吸療法について、ALS療養者を対象に、対象者の属性(性、年齢、発症年齢、病型、呼吸障害の進行状況、人工呼吸療器装着の時期、その他の医療処置の導入期等、経済状況)、インフォームドコンセントの内容、支援サービス、看護職の役割、療養者・家族の心理的変化、意思決定の決め手になった事柄等について調査を行っており、意思決定にかかわる要因について分析を行う予定である。 3.コミュニケーション方法の基礎資料の作成 療養者の意思決定を確実なものとするためには、コミュニケーション方法が確保されている必要がある。そのため、ALS療養者のうちコミュニケーション障害を有するものについて、コミュニケーション方法の獲得と支援方法について、適用・効果・使用方法等のマニュアルを作成した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小西 かおる, 他: "保健所における難病保健活動に関する研究-難病特別対策推進事業実施に関連する要因の検討-"日本地域看護学会 第5回学術集会講演集. 111 (2002)
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[Publications] 小西 かおる, 他: "実践を変えるアクション・モデル-難病保健関連機関と研究者が共同した事例より-東京都の特殊疾病対策"日本地域看護学会 第5回学術集会 ワークショップ4. 16-17 (2002)
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[Publications] 小西 かおる: "在宅における呼吸管理-地域ケアシステムにおける訪問看護の役割"第6回埼玉呼吸リハビリテーション研修会. (2002)
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[Publications] 小西 かおる, 他: "Demands of home care management in multidimensional community health systems for patients with amyotrophic lateral sclerosis requiring home mechanical ventilation"European Respiratory Journal. 20(38). 622 (2002)
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[Publications] 小倉朗子, 他: "三鷹市における難病等在宅患者支援事業の機能と地域ケア・システムの課題に関する研究"日本プライマリ・ケア学会誌. 25. 185 (2002)
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[Publications] 水野優季, 小倉朗子, 他: "ALS療養者におけるコミュニケーション手段の獲得に関する検討"日本難病看護学会誌. 7(1). 32 (2002)