2002 Fiscal Year Annual Research Report
透析を受ける慢性腎不全患者への在宅メンタルヘルス看護に関する研究
Project/Area Number |
14572263
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
木立 るり子 弘前大学, 医学部, 助手 (60197192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天保 英明 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (00312497)
山内 久子 弘前大学, 医学部, 助教授 (80113843)
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Keywords | 血液透析患者 / 慢性腎不全患者 / メンタルヘルス / 慢性疾患患者心理 / NEO-FFI |
Research Abstract |
血液透析を受ける患者の心理変化、闘病スタイルと患者背景との関連を明らかにすると共にアセスメントツールの開発を研究目的としている。第一段階として、NEO-FFI日本版ならびに患者背景について、青森県内の透析患者に郵送による質問紙調査を行った(回収率44.1%、有効608部)。透析患者は常に不安をかかえているとされているが、NEO-FFIの5次元平均値は一般成人平均値と比べて全体的に低く、特に「開放性」において成人の平均値との差が開いた。一般成人の平均値を基準にしたプロフィールに表すと、「神経症傾向」も含めて平均的範囲にあり、「開放性」が特に女性で低い範囲になった。年齢は19〜90歳(平均58.3±12.8歳)で、65歳以上で「神経症傾向」と「開放性」が有意に低い。性別では(男性56.3%、女性42.6%)男性の方が「調和性」が有意に低い。合併症の有無において有意差があったのは、糖尿病を有する者(25.3%)で「開放性」が低く、心臓病(20.4%)で「外向性」が低く、副甲状腺機能低下症(15.8%)で「開放性」が高くなった。社会的背景では、仕事をしていない人の方が「開放性」が有意に低い。透析期間は0.1〜27.6年(平均6.7±5.7年)で、長期になると「開放性」が高く「誠実性」が低い傾向であった。最近1年間に生活上の変化(35.4%)、病状の変化(38.6%)があると、双方とも「神経症傾向」が有意に高くなる。病状の悪化、気が休まらないこと、家族の不理解、通院の交通手段などがつらいと答えた者の「神経症傾向」が高くなった。これらから、積極的・活発に生活することをあきらめざるを得ない状況が多々あること、病状や生活の変化が不安・抑うつを強めると考えられ、エピソードに応じた時期相応の支援が必要であると示唆された。第二段階として、3・4か月間隔で20数名にインタビュー調査を継続中である。
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Research Products
(1 results)