2004 Fiscal Year Annual Research Report
透析を受ける慢性腎不全患者への在宅メンタルヘルス看護に関する研究
Project/Area Number |
14572263
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
木立 るり子 弘前大学, 医学部, 講師 (60197192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 久子 弘前大学, 医学部, 助教授 (80113843)
晝間 臣治 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (60361028)
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Keywords | 血液透析患者 / 慢性腎不全患者 / メンタルヘルス / 人格検査 / 気分 |
Research Abstract |
最終年度にあたる今年度は、成人人格検査NEO-FFIを用いた質問紙調査の分析結果の公表と、継続インタビュー事例の語りの分析を行った。 質問紙調査の結果からは、透析を受ける慢性腎不全患者の心理・行動傾向の3タイプが明らかになった。第一のタイプは"神経症傾向"と"開放性"が多次元と比べて低い「調和タイプ」、第二のタイプは、"神経症傾向"が特に高く、他の4次元が低く「神経症傾向タイプ」、第三のタイプは、"神経症傾向"も高いが5次元全体のバランスが取れている「均衡タイプ」とした。背景と3タイプとの関連では、性別ならびに透析期間で明らかな差は認められなかったが、仕事をしている人に「均衡タイプ」の割合が高く、仕事をしていない人や網膜症患者に「神経症傾向タイプ」が多かった。外的・社会的刺激の少ないことが「神経症傾向タイプ」に関連すると考えられた。年齢によるタイプ別比較では65歳以上で「調和タイプ」割合が多く、「均衡タイプ」の割合が減少する傾向があった。心理的鋭敏な「神経症傾向タイプ」と、神経症傾向も開放性も低く控えめで落ち着いている印象の「調和タイプ」の双方とも抑うつが危惧される。 継続インタビュー事例の語りについては分析途中で、透析生活にどのように対処しているかの観点から解釈している。病状と透析を受けることについては、検査データや病状変化、治療方法、薬物から自分の身体変化を理解していることがわかった。生活上の対処は生活の個別性により共通因子の抽出は難しいが、NEO-FFIで得られたタイプ別に語りを検討していく予定である。インタビューではNEO-FFIのほかに、POMS(気分プロフィール)とQHQ(精神健康状態)についても同時に聞き取りを行っており、あわせて検討する。なお、半年から1年の間隔で一人につき2-3回インタビューを行っているため、その間の病状や私的生活変化による影響も考慮できる。
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Research Products
(5 results)