2003 Fiscal Year Annual Research Report
治療・処置を受ける子どものケアにおける遊びを中心とした介入モデルの開発
Project/Area Number |
14572264
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
齋藤 美紀子 弘前大学, 医学部, 助手 (40312508)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 能理子 弘前大学, 医学部, 助手 (20281941)
高梨 一彦 和洋女子大学, 人文学部, 教授 (80197110)
一戸 とも子 弘前大学, 医学部, 教授 (10110412)
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Keywords | 子ども / 治療・処置 / プリパレーション / 遊び / 病院環境 |
Research Abstract |
今年度は、子どもが治療・処置をうける一連の場面における参加観察によるデータ収集の計画に先だって、小児がおかれている入院環境についての全国調査を実施した。それによると、7割の病棟が処置室に子どもが関心を持ちそうな飾り付けをし、6割が気を紛らわせたりするためのおもちゃを用意していた。治療・処置前に紙芝居や人形劇、あるいはぬいぐるみや人形を用いた疑似処置遊びをよく行っている病棟はごくわずかであった。治療・処置時の説明や、不安・恐怖を経験する目的で行われる、いわゆるメディカルプレイについては、まだ看護師に浸透していないことが要因の一つと考えられる。一方、処置中に愛着のあるおもちゃなどを持たせたり、看護師自身の持ち物や衣服の工夫に関しては半数以上がよく行っているとした。ケアの中に遊びの要素を取り入れることによって、子どもはスタッフに親しみを感じ、信頼関係の形成に役立つと考えられる。子どもは遊びによって多くのことを理解し、時にはストレスのはけ口にもなることから、治療・処置時のケアにおいても遊びの要素を取り入れることは、重要であると考えられる。 「プリパレーション」という言葉についての認識は、6割が聞いたことがあるとしていた。そのとらえ方は、「治療・処置を受ける子どもに対して、人形や絵本などを用いてわかりやすく説明すること」「子どもに対するインフォームド・コンセント」と答えたものが多く、子どもへの説明の手段と考えていることが分かった。実施については、3割が行っているとし、実施者は8割が看護師であった。実施に関して解決しなくてはならない問題として多かったのは、管理者やスタッフの認識と、診療報酬制度への位置づけであった。
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