2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14572266
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河 正子 東京大学, 医学研究科, 講師 (60291316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 光令 東京大学, 医学研究科, 助手 (90301142)
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Keywords | 緩和ケア / がん / 在宅療養 / デイケア |
Research Abstract |
1.国内外のデイケア関連情報収集:わが国では介護保険による通所介護、通所リハビリテーションが拡充されつつあり、少数ながら医療保険による精神神経科デイホスピタル、診療所でのデイケア、NPOのサポートグループ活動などがある。英国では、デイホスピスが普及している。デイホスピスの対象は主としてがん患者であるが、活動の実際はわが国の通所介護、リハビリのサービス内容に類似している。 2.進行がん患者と家族の緩和デイケアニーズ調査:【方法】平成14年10月〜12月に、一がん専門診療施設の放射線科、頭頚科、整形外科が担当する根治的治療後在宅療養中または症状緩和や補助療法目的で再入院中の成人進行がん患者、家族(主たる介護者)を対象とした。面接可能な状態にあると主治医が判断した対象に、文書を用いて説明、同意を得た後、半構造化面接を実施した。内容は、在宅療養の概要困っている(いた)こと、サポートの要望、相談についての希望、デイケア利用可能性などである。同意を得て録音した逐言録を質的に分析した。また背景情報を診療記録から収集した。【結果】8名の患者と5名の家族に面接を実施した。現在の医療者との関係が良好であり、緊急時の保証があることによる安定感がうかがえた。がんの診断治療過程での適切な情報整理、病状や治療にともなう食事や処置についての個別的なこまやかなケアの支援、家族間の調整、介護サービス利用などに関するニーズが認められた。 3.緩和デイケアプログラムの方向性:上記結果を在宅緩和ケアの専門家の助言を得て考察した。英国のデイホスピス的サービスの利用に関しては希望の有無が分かれ患者同士、家族同士社会的つながりを求める程度、病状、気力などによりサービスの多様性が求められると考えられた。デイケアの枠組みにとらわれない情報提供、相談、支援プログラムの検討も必要である。
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