2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14572266
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河 正子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60291316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 光令 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90301142)
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Keywords | 緩和ケア / がん / 在宅療養 / デイケア / 外来患者 / 臨床評価 |
Research Abstract |
1.昨年度、研究の方向性として定めた、民間ナース主体の一「在宅緩和ケア支援センター」におけるデイサービス事業(緩和デイケア)のプログラムとその評価法を検討した。 デイサービス事業は介護保険事業所の認可を受けて、平成16年8月に本格的な活動を開始した。原則として、毎火木金の9:30〜16:30まで、1軒の住宅を改造した施設に、がんに限らない慢性疾患、難病患者と家族をケア対象として開催されている。一月当たりののべ利用者数は10名〜15名程度であり、現時点では活動の試行段階といえる。 ケアの評価については、1)緩和デイケアに対する患者・家族のニーズを知る、2)緩和デイケアに通う患者・家族の実態を明らかにする、3)緩和デイケアに対する患者・家族の評価を得ることを目的に、背景情報、症状の変化、家族の健康状態、医療者による患者・家族の状態の評価(STAS:Support Team Assessment Scheduleの利用)、満足度、介護負担感などをチェックする評価票を作成し、利用者に適用を試みつつ改訂版を作成した。患者の病状によって自記式評価は困難な場合も多い。今後継続的に評価を続け、データを蓄積するとともに、評価票自体の改訂も行う予定である。 2.緩和デイケアの内容を検討する目的で、在宅緩和ケアを経験した遺族を対象に、在宅緩和ケアの実態と、在宅移行前に必要なサービスについて調査した。 9家族10名の遺族に対する予備調査から、質問紙を作成し、112名の遺族を対象に自記式質問紙による郵送調査を実施した。73名(66.1%)からの有効回答を得た。在宅緩和ケアに対する満足度は高かったが、在宅への移行を本人と家族が共に希望していた場合に死別後も安定した生活が保たれていたことから、移行時のサポートの重要性が示唆された。
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