2003 Fiscal Year Annual Research Report
小児がん患者・家族とのコミュニケーションに関する研究(看護婦と医師の役割)
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14572274
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Research Institution | HAMAMATSU UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
藤井 裕治 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80144088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 妙子 浜松医科大学, 医学部, 講師 (40303557)
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Keywords | 小児がん / 医療面接 / 病気説明 / インフォームド・アセント / デス・エデュケーション / 同胞支援 / 絵本 / チャイルド・ライフ・スペシャリスト |
Research Abstract |
患児・家族とのコミュニケーションおける看護師と医師の役割について検討した。1.医療面接(1)アセント:『血液とそのはたらき』について、イラストや動画を含んだ病気説明用のツールを作成した。また急性白血病の患児がプロトコールスタディに参加するための、インフォームド・アセントの文章とイラストを作成した。これらは浜松医科大学小児科のホームページ上で公開し、希望者は広く利用可能とした。(2)医療面接時の情報内容:小児がん患児へアンケート調査を行い、7〜8割の患児は「病気・治療面」の情報を必要と回答するも、必要としないと回答した患児も同時に1〜2割存在した。また多くの患児は病気と同程度に入院中の生活(「安静度」「外出・外泊」「付き添い」「玩具・ゲーム」「担当ナース」「院内学級」等)の情報を必要とした。「病気・治療面」は医師または両親から、「生活面」では看護師または両親からの説明を望んでいた。医療関係者は自分が伝えたい情報だけでなく、患者や家族が知りたい情報も理解しなければ良いコミュニケーションは築けない。医療面接時の医師・看護師の役割を検討し、医療情報の項目のチェックリストを作成した。2.同胞への支援:長期入院患児の同胞への支援対策として同胞への面会・疾病教育を実践した。3.絵本によるデス・エデュケーション:診断(入院)時からの病気説明だけでなく、デス・エデュケーションも含めたオープン・コミュニケーションが大切である。様々な絵本・児童文学書を選定して、病気説明やデス・エデュケーションの方法をホームページ上で公開した。4.CLS:患児・家族とのコミュニケーションにおける看護師と医師の役割について検討したが、その実践においては多忙なため充分に実行できない現状がある。そのため、欧米のように小児病棟にチャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)の導入が必要と思われた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fujii Y.: "Analysis of the circumstanes of the end of life in children with cancer : A single institutions experience in Japan"Pediatr.Int.. 45・1. 54-59 (2003)
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[Publications] Hongo T.: "Analysis of the circumstances at the end of life in children with cancer : Symptom, suffering, and acceptance"Pediatr.Int.. 45・1. 60-64 (2003)
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[Publications] 藤井 裕治: "小児血液・悪性腫瘍疾患の医療面接時における、患者・家族が知りたい情報と医師・看護師が伝えたい情報"小児科臨床. 57・2. 197-206 (2004)