2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管障害高齢者の在宅ケア移行期から1年間の介護・看護プログラムの開発
Project/Area Number |
14572279
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
加藤 基子 愛媛大学, 医学部, 教授 (60290053)
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Keywords | 脳血管障害 / 療養期間 / 閉じこもり / 廃用症候群 / 継続看護 / 訪問看護プログラム |
Research Abstract |
重度脳血管障害者の在宅ケア移行期の支援に貢献するため、訪問看護の課題を検討した。 対象はE県の訪問看護ステーション52カ所を利用している脳血管障害者911人(利用者の34.9%)。平均年齢は77.9歳。脳血管障害は脳梗塞が7割を占めた。発症から現在までの経過年数の平均は7.34(±6.52)であった。現在の症状の主なものは麻痺、拘縮、失禁、痴呆であった。症状と発症からの経過年数を検討した。拘縮は上下肢ともに3年未満は少なく、9-12年に多く出現していた。痴呆は9-12年に多く、体重減少は6-9年に多く出現した。BIの得点は37.2。歩行は3年以内では自立、6年未満は介助、9年以上は全介助が多かった。食事は3年未満で部分介助、12年以上は全介助が多かった。整容や着替えは9年以上で介助となっていた。活動範囲は日課として外出しているは3年以内に多く、ベッド上は9-12年に多かった。 訪問看護は介護保険が9割であつた。訪問看護の利用年数は2.67(0.06-10.75±2.14)年であった。訪問看護は発症から約5年(0.08-34.5)経過して導入されていた。発症から3ヶ月以内の利用開始は8.1%、1年以内の利用開始は3割であった。訪問開始時の脳血管障害者の情報はCT所見ありが27.9%であった。看護師が非常に実施している看護はバイタル測定、ROM訓練であった。していないのは呼吸訓練、間接的嚥下訓練、気道浄化の評価であった。看護と経過年数を検討した。肺音の聴取、口腔ケア、体位交換は9-12年で実施していた。以上から廃用症候群の予防的看護を早期に提供できていない現状が明らかになった。 訪問看護が重度の脳血管障害者の閉じこもり予防に貢献するには(1)退院後、早期に訪問を開始するための病院との連携、(2)廃用症候群を予防する看護プログラムの実施が必要である。
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Research Products
(1 results)