Research Abstract |
17年度は発症後から1年以内に訪問看護ステーションを利用した脳血管障害者に対し,訪問看護開始から2ヶ月間の看護内容を検討した.平成16年7月〜17年8月の間に,K県の訪問看護ステーションを利用した脳血管障害者のなかで,発症から1年以内に訪問看護を開始した136ケースを対象とした.調査票は受け持ち看護師が回答した. 対象者の平均年齢は73.7才,介護度の平均は3.77.在宅療養開始前の場所は一般病院が78.8%,退院前カンファレンスへの開催は16%であった.さらに,FIM得点が算出できた78名の分析をした.平均は57.1点で,2群に分け,看護内容との関連をMann-WhitneyのU検定をした.その結果,FIM得点が高い群に有意な看護は入浴介助,立位訓練,生活のなかで出来る訓練,将来にむけた希望の傾聴,社会的な交流をもつための支援であった.得点が低い群に有意な看護はベッドメーキング,体重測定,排泄状態確認,おむつ交換,腹部マッサージ,摘便,浣腸、清拭,陰部洗浄,手浴,口腔ケア,カテーテルや医療機器の管理,褥創等の処置,障害に対する身体に関する訴えの傾聴,自尊感情の低下に関する表現の傾聴,訓練などの療養法の継続支援,家族への想いや不満の傾聴,外出支援であった.また,低い群は介護力の査定や在宅ケア継続の予測をしていた. さらに,調査時点での転帰を継続群と中止群に分け看護内容との関連をみた.継続群に有意な看護はベットメーキング,オムツ交換,摘便,皮膚の観察,清拭、陰洗,口腔ケア等17項目であった.そこで,継続・中止を従属変数にFIM,年齢,口腔ケア,摘便,将来の不安に対する訴えの傾聴を独立変数にロジステック回帰分析をした.その結果,FIM,口腔ケアに有意な,摘便に有意な傾向がみられた. 4年間の検討を経て,在宅療養を開始した脳血管障害者と家族に対する初期訪問看護プログラムを作成した.
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