2002 Fiscal Year Annual Research Report
家族を自殺で亡くした人へのSpiritual Careに関する研究
Project/Area Number |
14572285
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
吉野 淳一 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (80305242)
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Keywords | 自死 / 家族 / 喪の作業 / グループ / Spiritual Care |
Research Abstract |
研究計画の1年目にあたる平成14年度は、研究実施計画を再度検討することから始めた。その中で、一般市民を対象にした恥概念などの自殺にまつわる意識調査はとりやめ、成員の自死を経験した遺族や自殺未遂者、遺族の喪の作業の介助者という位置づけでイタコへの聞き取り調査を行った。それに平行して、これまでの聞き取り調査を通じて出会った成員の自死を経験した家族の会(癒しの会)の意味を再度検討することとした。1998年以降、3万人を超えた我が国の年間の自殺者数が一向に下がる気配を見せない状況にあっては、質問紙調査に取り組むことよりも、すでに下地のあった遺族の会を吟味し維持していくことが、社会的要請に応えることにつながると判断したためである。この遺族の会(癒しの会)の持つ意味を検討するために、以下のことを行った。 1.社会構成主義を基盤に置き、語ることの意味を再学習した。 2.家族療法に関する研究会において、1.の題材をディスカッションした。 3.文献学習とディスカッションに加えて、学会及び研修会に参加し社会構成主義を基盤にしたコラボレイティブ・アプローチや自殺とその周辺への影響について学んだ。 上記の学習の結果として、今年度は、成員の自死を経験した家族の喪の作業への支援としてグループが有効性を論じた論文、「成員を自死で亡くした家族の喪の作業への支援 -グループの適用-」をまとめた。
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Research Products
(1 results)