2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポストゲノム期社会における文化的変容と、それへの社会的対応に関する科学論的研究
Project/Area Number |
14580001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金森 修 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90192541)
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Keywords | 新優生学 / ポストゲノム / 子供の自律性 / 遺伝子治療 / 設計的生命観 / 科学と価値 |
Research Abstract |
本研究はヒトゲノム計画で、ヒト遺伝子の塩基配列特定がほぼ完了した後の状態を前提にして、その後に発生してくる可能性のある諸問題を、単に科学的・生物学的・医学的な観点からだけではなく、社会的・倫理的・哲学的視点を加えて総合的に研究していくための準備作業に位置づけられるものだ。もちろん、私が主に取り組むのはその後者の問題設定になる。本研究は全体で4年で、今年度は3年度目であった。最初の二年にかけては、主に関連領域の欧米文献の収集とその読解に大部分の時間をあてた。その成果は2,3本の邦語論文と、一本の英語論文、それにいくつかのProceedingsでの口頭発表原稿となって結晶している。 本年度も、その作業を基本的にはそのまま継続している。そして、数本の邦語文献を書き終えた現時点で、あと200枚ほどを書き足して一冊の本に纏める計画がすでにできあがっており、そのための文献も集め終えた。あと数ヶ月で脱稿の予定である。 また、本年度は、私がこの種の科学史的、科学思想史的な作業に関わるようになった学問的背景を明示してくれる、包括的な論文集を公刊することができた(『科学的思考の考古学』)。また、Journal of International Biotechnology and Lawという雑誌に依頼原稿を投稿し、現在印刷中である。この話題についての私なりの作業は、国外でも一定の評価を受けている、といってかまわない、と考えている。
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Research Products
(3 results)