2004 Fiscal Year Annual Research Report
体育教師養成のための運動観察能力の発達位相に関する実証的研究
Project/Area Number |
14580009
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
佐藤 徹 北海道教育大学, 教育学部・函館校, 教授 (80125369)
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Keywords | 運動観察 / 他者観察 / 自己観察 / 志向分析 / キネステーゼ / 運動ゲシュタルト |
Research Abstract |
今年度は、これまでの研究に基づいて運動観察能力の発達位相について理論的にまとめることを主な目的とした。 今回の研究全体の総括として、「"できない"現象の志向分析的視点」と題する論文を日本体育学会の研究誌である体育学研究に投稿し、第50巻3号(2005年9月)に掲載が決定された。これは、直接的に運動観察という用語を使ってはいないが、人間が行う観察活動の本質的特性を探っていけば、運動の外形的変化を視覚的に知覚しながら実施者の内的状態を解釈していく志向分析という活動に収斂されるという意味を表している。この点を明らかにできたことが、今回の研究を通してもっとも大きな成果であったといえる。 また、11月にはドイツのオルデンブルク(Oldenburg)大学に赴き、運動指導に関する現象学的研究を進めているVolger教授とスポーツ運動学(Bewegungslehre)について意見交換した。とくに体育教師養成における運動学の意義について討論し、人間の運動を研究する際に考慮すべき特性、なかでも運動ゲシュタルトの概念の再検討の必要性が問題となった。時間ゲシュタルトしての人間の運動は、測定や写真撮影など固定した完了したものとして扱うことはできず、研究手段として自然科学的手法は相容れないことが確認され、現象学的考察の有用性が認識された。また、同大学において本研究に関連する文献を収集することができた。 科学研究費の交付を受けた期間(平成14〜16年)の研究活動、その成果、ならびに発表した論文をまとめた報告書(冊子)を作成した。
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Research Products
(1 results)