2002 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツのグローバリゼーションとローカリゼーション
Project/Area Number |
14580021
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
上野 卓郎 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30120801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高津 勝 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (30034838)
藤田 和也 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (80017673)
早川 武彦 一橋大学, 大学院・商学研究科, 教授 (90114959)
尾崎 正峰 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 助教授 (20272768)
内海 和雄 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (00092619)
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Keywords | グローバリゼーション / ローカリゼーション / 国際化 / スポーツ / IOC / IF / イベント |
Research Abstract |
一年度の今年度は、研究課題の基礎作業とも言うべき作業に着手した。第一は関連文献の収集である。予想に反して、国内外の文献が意外に少なく、基礎作業として他分野の蓄積を踏まえながら、スポーツ分野への応用が必須であることを自覚している。 第二は情報収集の推進であり、今年度中に国内情報収集三回、海外情報収集一回を行った。先行研究の少なさは、一方で、我々独自の視点と、それに基づく資料の収集が必要である。三年間を見通した情報収集計画も明確となり、既存の資料の分析を進めながら、有益な情報を収集している。 第三は研究会の立ち上げである。上記の資料、文献、情報の分析や討論を組織し、相互の知識を交換すべく、定例の研究会を設けた。ここではグローバリゼーション、ローカリゼーションの共通理解、そこでのスポーツとの関連、そして各共同研究者がそれぞれの領域で、研究課題に具体的にどのように接近できるかを、発表し、討論し、交流した。初年度の本年は、本企画が途中採用であったこともあり、論文などでの具体的な業績はないが、来年度以降の基礎はしっかりと形成された。 今後の研究の上で大きな焦点となる可能性の一つに、国際化とグローバル化との差異の問題がある。経済領域に於いて、この両者の関係、特に後者の成立については論争のあるところであり、それはスポーツ領域にもいえることである。例えば、IOCや各種IFをもってグローバル化と呼べるかどうか、議論のあるところであり、国際化段階であるとするかどうかで、その探求の方法論は変わって来るであろう。より細部まで見れば、それは種目によって異なるのかもしれない。そうなるとスポーツでのグローバル化とは何をもって規定するか等、今後の課題がより鮮明になりつつあるのが、今年度の成果である。
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Research Products
(14 results)
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[Publications] 早川 武彦: "オリンピックの象徴・概念-より早く、より高く、より強く:Citius、 Altius、Fortius-"研究年報 2002 一橋大学スポーツ科学研究室. 21-29 (2002)
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[Publications] 藤田 和也: "学校の本来的機能としての養護機能"研究年報 2002 一橋大学スポーツ科学研究室. 43-51 (2002)
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[Publications] 高津 勝: "身体競技の歴史的・社会的な多様性と重層性-ローカルな視座から「近代スポーツ」を問う-"研究年報 2002 一橋大学スポーツ科学研究室. 3-12 (2002)
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[Publications] 内海 和雄: "資本主義社会とスポーツ-スポーツの商品化と公共性-"現代スポーツ評論. 6. 32-43 (2002)
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[Publications] 内海 和雄: "スポーツの権利・公共性と新自由主義=個人的消費主義との対抗(3)-九〇年代のスポーツ動向と政策-"一橋大学研究年報 人文科学研究. 40. 3-102 (2003)
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[Publications] 内海 和雄: "新自由主義下のスポーツ政策"一橋論叢 一橋大学一橋学会. 8月号. 1-23 (2002)
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[Publications] 内海 和雄: "市場化と公共化の対抗-90年代のスポーツ政策-"研究年報 2002 一橋大学スポーツ科学研究室. 13-20 (2002)
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[Publications] Kazuo Uchiumi: "Sports in Capitalistic Society : Commodification and De-commodification of Sports"Hitotsubashi Journal of Social Studies, Hitotsubashi University. Vol.34-2. 37-46 (2002)
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[Publications] 上野 卓郎: "民衆的視点から「21世紀のスポーツのゆくえ」を考える"研究年報 2002 一橋大学スポーツ科学研究室. 52-53 (2002)
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[Publications] 尾崎 正峰: "オーストラリアのスポーツと社会 研究の視座"研究年報 2002 一橋大学スポーツ科学研究室. 54-57 (2002)
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[Publications] 岡本 純也: "スコットランドの観光産業における伝統スポーツ・民族舞踊"研究年報 2002 一橋大学スポーツ科学研究室. 36-42 (2002)
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[Publications] 坂 なつこ: "サッカーファンがもたらしたもの-2002FIFA W杯をめぐるサポーター・ボランティアグループの活動-"研究年報 2002 一橋大学スポーツ科学研究室. 58-61 (2002)
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[Publications] 早川 武彦 共著: "文化論シリーズ 11 オリンピック標語の考察 (分担執筆)オリンピックの象徴・概念"創文企画. 225,11-38 (2002)
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[Publications] 岡本 純也 共編著: "現代スポーツ社会学序説 11章 奴らのゲームで奴らを倒せ〜沖縄高校野球界にみる再生産戦略〜"杏林書院. 254,88-93 (2003)