2003 Fiscal Year Annual Research Report
運動技能習得における動きの変容と心の変容が相互に及ぼす影響
Project/Area Number |
14580027
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
筒井 清次郎 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (00175465)
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Keywords | 観察学習 / 自己調整練習 / 結果の知識 / 運動学習 |
Research Abstract |
運動技能の習得における有効な方法を明らかにするために、3つの研究を行った。一つめは、観察学習において、提示するモデルの技能水準の効果と観察学習の提示スケジュールの効果について検討した。その結果、熟練したモデルを繰り返し観察させる熟練モデルよりも、初心者が技能を習得していくプロセス全体を観察させる学習モデルの方が、さらに、身体練習と交互に観察させる交互提示スケジュールよりも、身体練習を挟まずに連続して観察させる集中提示スケジュールの方が、有効であることが示された(Horose, Tsutsui, okuda, & Imanaka,2004)。二つめは、運動遂行後に、学習者に結果の知識を提示するスケジュールにおいて、指導者が提示する試行を決定するスケジュールと、学習者の要求した試行において提示するスケジュールの効果について検討した。同じ提示割合(50%)にも関わらず、学習者が要求した試行において提示するスケジュールが有効であった。さらに、全試行(100%)学習者に結果の知識を提示するスケジュールが、最も成績が低かった(Tsutsui,2003)。三つめは、複数の課題を習得する場合の練習スケジュールについて検討した。ブロック練習(同じ課題の練習を一度にまとめて行うスケジュール)よりも、ランダム練習(同一技能が連続しないように、また、各技能の試行数が等しくなるようにする以外は、全くランダムな順序で複数の技能を遂行するスケジュール)の方が有効であることは文脈干渉効果として知られているが、そのように、指導者が練習するスケジュールを決定するのではなく、学習者自身によって練習するスケジュールを決定する自己調整練習の有効性も報告されている。そこで、ランダム練習と自己調整練習の効果を比較した。自己調整練習の効果よりも、ランダム練習の効果の方が大きかった(筧・筒井,2003)。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 筒井 清次郎: "学習に果たす付加的フィードバックの役割"体育の科学. 53・5. 325-328 (2003)
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[Publications] Seijiro Tsutsui: "Effect of subject-controlled knowledge of result in learning a golf part task"Journal of Sport & Exercise Psychology. 25-supplement. S133 (2003)
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[Publications] 筧 勝吉: "学習者自らが採用するランダム練習の効果"愛知教育大学研究報告(芸術・保健体育・家政・技術科学). 53. 9-14 (2004)
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[Publications] Toru Hirose: "Effectiveness of the Use of a Learning Model and Concentrated Schedule in Observational Learning of a New Bimanual Coordination Pattern"International Journal of Sport and Health Science. vol 2. 97-104 (2004)
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[Publications] 愛知教育大学体育学会: "小学校体育の教材・指導事例集"黎明書房. 105 (2004)