2003 Fiscal Year Annual Research Report
「九州一周駅伝」の社会学的研究-メッセージの内容と読み手の解釈作業-
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14580042
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 教人 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (50230579)
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Keywords | 九州一周駅伝 / 内容分析 / 物語の構造 |
Research Abstract |
本年度は、スポーツについてのメディア・テキストを物語としてとらえ、その構造を分析することを目的とした研究を行った。この目的のために、平成14年11月1日から10日にかけて開催された、「第51回九州一周駅伝」を報じた西日本新聞の紙面(一面、スポーツ面、県総合面、社会面)の内容分析が行われた。 各紙面の分析を通じて、次のようなことが明らかとなった。 第51回九州一周駅伝を報じた西日本新聞の記事において、九州一周駅伝は、「チーム間競争」、「個人間競争、あるいはヒーローの活躍」、「九州らしさ」、「家族関係」、「復活」、「雪辱」、「郷土愛」、「世代間関係」、「仲間への感謝」、「九州一周駅伝の伝統」など、多様なテーマで記述され説明されていることが確認された。 これらメディアによる九州一周駅伝の物語のなかでも、「チーム間競争」は各紙面における中心的なテーマであった。しかしながら、「チーム間競争」は「個人間競争、あるいはヒーローの活躍」や「雪辱」、「家族関係」などといった競争に関わる様々なテーマと接合されたり、さらには他のテーマの一部として位置づけたりもしていた。 結論として、九州一周駅伝の物語は、語りの多様性を限りなく広げていくようなやり方と、逆にそれに制限を課すようなやり方、そして制限された語りにさらに多様性をもたらすようなやり方で構造化されていた。こうした駅伝記事の物語としての構造が、読み手の多様な関心を引きつけることのできるひとつの要因であると考えられた。
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