2002 Fiscal Year Annual Research Report
尿中有形成分法を用いたマラソンランナーの肉体疲労度評価法
Project/Area Number |
14580044
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
倉掛 重精 大分医科大学, 医学部, 教授 (00033407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊江 隆 独立行政法人, 国立健康・栄養研究所, 室長 (40145363)
中路 重之 弘前大学, 医学部, 助教授 (10192220)
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Keywords | マラソン / 筋逸脱酵素 / 尿中有形成分 / 肉体疲労 / 持久的運動 / 活性酵素種 / 好中球 / サイトカイン |
Research Abstract |
肉体疲労をアンケート等で"主観的疲労度"として捉える事は出来ても、客観的に測定・評価する方法は未だに確立されていない。そこで、マラソンランナーのレース前後での尿中有形成分の変動から肉体的な疲労度の評価方法を確立する事を目的とし、本年度は次年度以降の研究の基礎を確立した。当該研究が特色としている採尿のみによる肉体的疲労度の評価方法は選手への負担も少なく、尿中有形成分の測定は簡便で迅速に結果が得られ、選手への還元が速やかに行えると言う利点を持つ。しかし、採尿はドーピングテストとしても行われているために選手に心理的な抵抗感があり、インフォームド・コンセントを得る為にも相互の信頼と理解が必要である。さらに、競技会場で採尿等を行うには大会運営の責任者等との緊密な信頼関係の構築が不可欠である。そこで、本年度は予備的調査として別府大分毎日マラソン大会の一般参加選手より協力者をつのり、アンケート、採血、体重測定、皮膚温等の測定に協力してもらった。得られた成果を完走した34名についてみると、レース後血中逸脱酵素活性は有意に増加し、皮膚温は有意に低下していた。また、マラソンレースにより発生する活性酸素種の消去機構についての検討を行い、抗酸、化物質等がレース後に有意に上昇している事が明かなった。免疫能に及ぼす影響についても検討を行ったが、レース後に好中球が有意に上昇し、血中インターロイキン6濃度が80倍にも増加した。さらに、実業団所属の若手長距離走選手の強化合宿で行われた30km走の前後でも同様にアンケート、採血、体重測定、皮膚温等の測定を含む調査を行い、大会運営責任者等との緊密な信頼関係を構築し、将来的に一般参加者に加えてトップレベルの競技選手にも協力してもらえるように配慮している。今回2月2日調査した別府大分毎日マラソンで得られた成果は、本年中の学会にて報告する。
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