2002 Fiscal Year Annual Research Report
頚部前屈姿勢保持に伴う衝動性眼球運動反応時間と循環動態の変化
Project/Area Number |
14580050
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
渡辺 一志 大阪市立大学, 体育学研究室, 助教授 (50167160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 勝夫 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60190089)
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Keywords | 頚部前屈姿勢 / 衝動性眼球運動反応時間 / 脳の賦活 / 循環動態 |
Research Abstract |
視対象を早期に知覚しようとする場合、基本的動的姿勢の一部である頚部前屈姿勢が認められ、頚部前屈姿勢を保持することにより、脳を賦活するなどして、衝動性眼球運動反応時間が短縮する。一方、運動中には、運動の遂行に対応するべく自律神経活動の制御が中枢性および反射性に行われている。構え姿勢をとり、脳を賦活させることによって運動に適した状態を整えるという観点から循環動態についても併せて検討するために、頚部前屈という構え姿勢をとり、脳を賦活させることによって運動系である衝動性眼球運動反応時間と、循環動態にどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的とした。 安静時、頚部前屈10度、頚部前屈20度のそれぞれについて、各姿勢における心拍数、血圧および上腕二頭筋、上腕三頭筋それぞれの皮膚血流量、近赤外線分光法による酸素化ヘモグロビンの変化などの循環動態と各姿勢における衝動性眼球運動反応時間と循環動態諸変量について検討した。 頚部前屈による眼球運動反応時間の短縮が確認された。また、上腕における酸素化動態については、酸素化ヘモグロビンの増加が認められた。この変化は、10度よりも20度において、さらに、衝動性眼球運動反応時間の課題時に顕著であった。これらのことから、脳を賦活させることによって衝動性眼球運動反応時間の短縮と共に運動の遂行に対応するべく循環動態の変化が中枢性に制御されている可能性が示唆された。
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