2002 Fiscal Year Annual Research Report
身体障害者の生活習慣病予防のための運動処方に関する研究
Project/Area Number |
14580051
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
松浦 義昌 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (60173796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜口 雅行 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (70172963)
眞来 省二 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (10118002)
清水 教永 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (30079123)
田中 良晴 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (60236651)
坪内 伸司 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (10188617)
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Keywords | 身体障害者 / 生活習慣病 / 運動処方 |
Research Abstract |
車椅子を用いて生活している身体障害者は、日常生活環境下において、健常者に比べて常に運動不足状態にあるといえる。そのため個々の持つ障害と併せて運動不足による生活習慣病のリスクファクタが高くなることが考えられる。 本研究では、身体障害者を対象に個々の疾患レベルに適した運動処方の実際について検討する。 対象者は、骨形成不全、頸髄損傷、脳性麻痺、四肢機能不全等の障害を有する身体障害者5名で、年齢は21歳〜46歳の範囲である。 対象者には、書面によるインフォームドコンセントを行い承諾を得た。運動処方に先立ち対象者には、日常生活活動調査(ADL)を行い、利用可能な運動刺激について検討した。 対象者各々の日常生活における活動水準を把握するため、携帯用心拍記録装置を用いて1日の心拍数を連続記録した。運動刺激は、主にアームクランクエルコ"メーターを用いて行った。運動中は、心拍数、酸素摂取量、RPE、StO2及びHb量を連続記録し、運動前後には、血圧、血中乳酸、POMSテストを実施した。 ADL調査では、5名中3名の者が介助者なしでは食事、排泄、就寝といった基本的な日常生活を送ることができないことが明らかとなった。一日の心拍数記録では、就寝時の心拍数が健常者に比べて高い傾向にあることが明らかとなった。 アームクランクエルゴメータによる運動は、頸髄損傷者については手とペダルを、脳性麻痺者では、足とペダルをそれぞれ紐で括ることによって可能となった。運動による心拍数-酸素摂取量及び心拍数-RPEの一般的な相関関係は、2名の骨形成不全者についてのみ認められ、他の対象者については認められなかった。StO2及びHb量は、安静時、運動中及び運度後のいずれの状態においても顕著な変化は認められなかった。運動前後の血圧は、運動後に拡張期、収縮期ともに高くなる傾向が認められた。血中乳酸は、運動後におよそ2〜4mmolの増加が認められた。 以上のことより、障害の特性を考慮した運動の時間、負荷強度及び頻度などの検討が必要であり、この点について次年度の検討課題とした。
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