2003 Fiscal Year Annual Research Report
近世上野国における馬庭念流および武術諸流派の伝播に関する基礎的研究
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14580057
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
数馬 広二 工学院大学, 工学部, 助教授 (30204407)
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Keywords | 小久保勘右衛門斥英 / 都幾山慈光寺千手観音堂奉納額 / 近世多胡郡馬庭念流門人 / 松本孝義家文書 / 偽庵 / 碓氷峠熊野神社奉納額 / 念流山摩利支天祠 |
Research Abstract |
(1)上野国、武蔵国境界の武蔵国比企郡上古寺村(埼玉県比企郡小川町上古寺)小久保勘右衛門斥英家(現小久保芳夫家)文書のうち馬庭念流関係の文書、武具があり(小川町教育委員会が目録を作成。)写真撮影した。また天保十三年、勘右衛門が都幾山慈光寺千手観音堂(埼玉県都幾川村)に掲げた額の実地調査を行った。 (2)近世多胡郡において1685年〜1835年までの門人所在村(入門者数)は、馬庭村(289名)馬庭村中光寺(12名)吉井町・宿(79名)多比良村(68)片山村(65)小暮村(47)松田村(41名)、本郷村(39)、下池村(38)、塩川村(32)、上池村(24)、下日野村(22)、小串村(22)、石神村(13)、小棚村(13名)等36村であった。門人家のうち、馬庭・松本孝義家文書には、江戸時代初期僧偽庵よりの書状があり、樋口家とならんで門人をとっていたことが判明した。 (3)昨年度データベース化を行った碓氷熊野神社奉納額につき、事前調査、本調査(7名で作業)を実施。額殿内70枚。随身門内9枚。堂内12枚の91枚の奉納額につき材質、サイズを計測、撮影した。この中に小野派一刀流、宝蔵院流(槍術)日置流(弓術)などの武術流派が含まれ、門人名を映像で記録した。 (4)馬庭念流元祖、念阿弥慈恩が応永15年(1408)に妙術を得たと伝えられている念流山(長野県下伊那郡浪合村)の山頂に、寛政八年(1796)秋、馬庭念流十六世樋口十郎兵衛定雄は門弟佐藤弥次右衛門ともに建てた摩利支天祠と、慈恩和尚慰霊碑を建てた堯翁院(ぎょうおういん)(長野県下伊那郡浪合村)を調査した。 なお群馬大学新田文書の新田家日記における馬庭念流剣術ほか武術流派関係の記事につき解読は次年度課題とする。
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Research Products
(2 results)