2002 Fiscal Year Annual Research Report
運動による動脈硬化予防の機序としての脂肪細胞由来サイトカインの関与について
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14580059
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
高波 嘉一 東京医科大学, 医学部, 講師 (40206777)
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Keywords | 運動トレーニング / アデイポネクチン / 体脂肪 |
Research Abstract |
今年度は予備調査として、運動トレーニングが血清アデイポネクチン濃度や体組成にどのような影響を及ぼすかについて、運動習慣を持たない中高年者28名(男性21名、女性7名:50.4±8.5歳)を対象とし、検討した。運動プログラムは50%VO2maxに相当する強度の有酸素運動を1回に30〜60分、週3回以上行うように指導し,これを3ヶ月間継続させた.3ヶ月のプログラム前後に安静早朝空腹時採血及び体重,体脂肪率(インピーダンス法)、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径の測定を行った.血清アディポネクチン濃度はELISAにより測定した.体重は運動プログラム前67.9±9.8kgから3ヶ月運動後66.4±9.1Kg(p<0.01),体脂肪率から推定した体脂肪量は16.9±4.3kgら14.7±5.9kg(p<0.05)、ウエスト周囲径は84.8±7.7から81.5±7.8(p<0.001)、ヒップ周囲径は93.2±5.4から92.3±5.4(p<0.05)、ウエスト/ヒップ比は0.91±0.06から0.88±0.05(p<0.001)と,いずれも有酸素運動を3ヶ月間継続することにより有意に減少した.血清アディポネクチン濃度は運動プログラム前5.2±2.6μg/mlから3ヶ月運動後5.8±2.9μg/mlと,10%程度の有意な増加を示した(p<0.01).この運動プログラム前後の血清アディポネクチン濃度の変化は,体重,Body Mass Index,体脂肪率,体脂肪量、ウェスト周囲径、ヒップ周囲径、ウエスト/ヒップ比のいずれの変化とも有意な相関を示さなかった.以上より、有酸素運動を継続することにより体脂肪の減少と血清アディポネクチン濃度の増加が認められた.アディポネクチンの増加は運動習慣による体脂肪減少の結果というより,脂肪細胞の質的変化によるものである可能性が考えられた.
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