2002 Fiscal Year Annual Research Report
運動・食事および薬物療法併用による糖尿病性腎症進展抑制効果
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14580060
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 政登 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10110925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真柄 直郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30056783)
太田 真 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60176899)
山内 秀樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60220224)
町田 勝彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70056886)
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Keywords | 糖尿病性腎炎 / 運動療法 / 食事療法 / 運動と食事療法の併用 / 運動と薬物療法の併用 / 糖負荷試験 / 尿中アルブミン排泄量 / 腎糸球体基底膜厚 |
Research Abstract |
I. 目的:運動、食事および薬物療法を組み合わせ、運動による腎負担の軽減、糖、脂質代謝の改善、腎症進展抑制および骨格筋等の廃用性萎縮の防止を目的として行われた。 II. 研究方法:肥満・糖尿病モデル雄性OLETFラット43匹を、運動療法群、薬物療法群、運動と薬物併用群、運動と食事療法併用群および安静対照群の5群に分けた。さらに、正常対照LETOラット14匹を運動療法群および安静対照群の2群とした。各療法は21〜31週齢まで10週間行った。運動には回転ケージを用い、運動と食事の併用では自由摂食量の約80%に制限給餌し、運動を隔日に負荷した。薬物と運動の併用ではACE阻害薬カプトプリル(Capt)を約20mg/kg/日となるよう飲料水に溶解し自由に服用させ、運動を併用した。薬物単独群にはCaptのみ服用させ安静対照群と同様に飼育した。各療法前後に麻酔下で糖負荷試験を行った。療法期間中体重、走行距離、血圧計測および24時間蓄尿を採取し、尿中アルブミン(Ualb)排泄量などを観察した。各療法後、麻酔下で外頸静脈から採血し血清脂質濃度などを測定した。屠殺後、各臓器を摘出し腎および心臓をホルマリン固定し、腎糸球体、メサンギュウム領域面積、基底膜厚(GBM)を計測した。また、各骨格筋、心筋の酵素活性や糖・脂質含量を測定した。 III. 今年度の結果のまとめ:降圧剤投与により、OLETFラットの血圧上昇、腎肥大、GBM厚の肥大抑制および適齢に伴うUalbの増加が抑制された。しかし、薬物単独では体重、体脂肪の増加および糖・脂質代謝能が悪化した。一方、運動と薬物療法併用の場合、腎症の進展が抑制され糖・脂質代謝が改善し、骨格筋内酵素活性が亢進した。したがって、日常生活における運動は今日の生活習慣に起因する骨および骨格筋の廃用性萎縮防止およびQOLの維持においても重要と思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 鈴木政登, 穂積紀子他: "Effects of angiotensin-converting enzyme (ACE) in hibitor on diabetic nephropathy (DN) during exercise therapy in OLETF rats"第80回日本生理学会大会. (発売予定). (2003)
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[Publications] 鈴木政登, 木村真規, 柴崎敏昭: "糖尿病性腎症に対する運動および薬物療法併用の影響"第49回日本腎臓学会学術総会. (発売の予定). (2003)