2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580068
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
平川 澄子 鶴見大学, 文学部, 助教授 (40199047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲澤 眞 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (10188930)
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Keywords | 女性スポーツ / ジェンダー / スポーツCF |
Research Abstract |
本研究は、停滞著しい日本の女性トップスポーツのおかれている環境の課題を明らかにし、女性スポーツ活性化のために有効な知見を得ることを目的として行われた。 現代のスポーツは、メディアと密接不可分な関係を前提として、その隆盛をみている。しかし、メディア・スポーツは男性スポーツの独壇場であり、女性スポーツは矮小化されている。メディアがジェンダーの生産/再生産装置として指摘されているが、テレビのコマーシャル・フィルム(CF)もその一翼を担っていると考えられ、スポーツCFの映像分析を試みた。のべ243本のスポーツCFがリストアップされ、105種類のCFを分析の対象とした。その結果、男性が主人公となるCFが64.8%であったのに対して、女性は14.3%にすぎなかった。数多くの男性スポーツ選手がユニフォーム姿で登場し、卓越したテクニックを披露し、そのヒーロー性を強調する構成となっていた。一方で女性スポーツ選手が登場するCFはごく少数であり、その描かれ方は、競技者としてよりもむしろごく普通の女性としてのアイデンティティを強調するものであった。その他、女性が主人公となるスポーツCFでは、美しさやナチュラルなイメージの表象となったり、伝統的な女性役割を表出したり、アイキャッチャーとして性的魅力を誇張した描写がなされたり、スポーツをみる/応援する役割が与えられていた。スポーツCFにおいても、量的バイアスのみでなく、女性スポーツの描かれ方に質的バイアスが存在することが明らかになった。 また、女子サッカーワールドカップ(WWC99)の大成功から世界初の女子プロサッカーリーグ(WUSA)の開幕へと続いた、アメリカでの女子サッカー熱の動向を探るため、2002年NIKEカップの参与観察調査を行った。アメリカ代表チームの人気は保たれ、女性観戦者やジュニア期のプレイヤーが主要な観戦者となっていることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)