2003 Fiscal Year Annual Research Report
アジア諸国を中心とする高齢者の体力に関する国際比較
Project/Area Number |
14580071
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Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
Principal Investigator |
金子 公宥 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (00067232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 みさか 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (90150573)
淵本 隆文 大阪体育大学, 体育学部, 教授 (90133537)
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Keywords | 高齢者 / 体力 / 国際比較 / 生活習慣 / アジア |
Research Abstract |
日本を含むアジア諸国における高齢者の体力を測定・調査し、その国における高齢者の体力水準を把握するとともに、長寿国である日本との比較やその国の平均寿命・生活習慣などとの関連分析を通して、健康で活動的な高齢者になるための要因を探り、各国における健康・体力作り政策の一助になるような指針を見いだすことを目的とした。調査地は京都、大阪、上海、西安、香港、ソウルである。計測項目は身長、体重、BMI、握力、長座体前屈、垂直跳、閉眼片脚立ち、開眼片脚立ち、ステッピング、シャトルスタミナ・ウォークテスト(SSTW)、血圧および質問紙法による生活様式調査である。被験者はいずれも60歳以上で、日本が843名、中国が768名、韓国が251名、香港が500名であった。身長、体重、BMIは日本が小さかった。閉眼片脚立ちは4カ国とも同じような値を示したが、開眼片脚立ちにおいては日本と、中国の順に成績が良く、韓国と香港はやや劣る傾向を示した。垂直跳び、ステッピング、長座体前屈、握力、SSTWのいずれの体力においても、男女とも、日本が最も良い成績を示した。また、香港はこれらの項目において、全般的に悪い成績を示した。日本と中国の60歳代女性の生活状況を比較すると、同居率において日本が中国より「一人暮らし」の割合が高く、子どもや孫と同居する割合が少ないことが示唆された。体力への自信については中国の方が高い結果を示した。体力測定の結果および健康状態への自覚は日本人の方が良い結果を得ていることから、体力に関する自信度は体力の絶対値や健康状態とは直接関係せず、国の文化や生活環境などによって大きく異なることが示唆された。以上の結果、日本の長寿は体力年齢と関係している可能性が示唆された。
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