2003 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険制度における要支援者の生活機能の自立を高める運動・栄養・社会活動を中心とする総合的な支援システムの構築
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14580075
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Foundation for Research on Aging and Promotion of Human Welfare |
Principal Investigator |
金 憲経 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・疫学・福祉・政策研究グループ, 主任研究員 (20282345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 晴美 国学院大学栃木短期大学, 家政学科, 助教授 (00260307)
鈴木 隆雄 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所, 参事研究員・副所長 (30154545)
吉田 英世 財団法人東京都高齢者研究, 福祉振興財団・東京都老人総合研究所・疫学・福祉・政策研究グループ, 主任研究員 (00242735)
竹島 伸生 名古屋市立大学, 自然科学研究グループ, 助教授 (00137126)
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Keywords | 介護保険 / 要支援 / 生活機能 / 介入 / 自立 / 転倒恐怖感 / 活動制限 |
Research Abstract |
2000年4月から導入した日本の介護保険制度で要支援と認定された後期高齢者の生活機能の自立を高める総合的な支援システムを構築するために、まず要支援者の身体機能の特徴を詳細に把握したうえで、介入指導を行った。 ○要支援者の身体機能の特徴 日本の介護保険制度で要支援と認定された高齢者の身体機能の特徴を明らかにするために、70歳以上の高齢女性、要支援者22名、転倒外来受診者33名、健常者60名を対象に、基本的生活機能、高次生活機能、転倒恐怖感、転倒恐怖感による外出控えなどと身体機能を調査し、要支援者の体力の特徴を検討した。その結果、年齢、身長、体重、体脂肪率では3群間で有意な差はみられなかったが、片足立ち(開眼・閉眼)、握力、膝伸展力、タンデム歩行、歩行速度(通常・最大)の全ての項目において有意差がみられ要支援者の成績は転倒ハイリスク虚弱高齢者よりも低かった。これらの結果より、要支援者の筋力、バランス、歩行機能を中心とする身体機能の向上を目指す介入プログラムの提供が必要であることが示唆された。 ○生活機能の改善を目指す介入の成果 介護保険で要支援と認定された高齢男女35名を対象に転倒予防を目指す3ヶ月間の介入プログラムを行ったところ、からだが柔らかくなった(80.0%)、バランスが良くなった(60.0%)、足の筋力がアップした(55.0%)、歩行が安定した(65.0%)との回答とともに60.0%が転倒予防に自信感がついてきたとの顕著な意識的変化を得た。さらに、膝伸展力33.4%の改善、最大歩行速度21.4%の改善、ペグ移動11.1%の有意な身体機能の改善効果が観察され、要支援者に対する介入の効果は大であると判断された。しかし、介入による身体機能の改善が日常生活に及ぼす影響について、詳細な追跡調査が必要であることが浮かび上がった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 鈴木隆雄, 岩佐一, 吉田英世, 金憲経, ほか11名: "地域高齢者を対象とした要介護予防のための包括的(「お達者健診」)についての研究-受診者と非受診者の特性について-"日本公衆衛生雑誌. 50・1. 39-48 (2003)
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[Publications] 金憲経, 胡秀英, 吉田英世, 湯川晴美, 鈴木隆雄: "介護保険制度における後期高齢要支援者の生活機能の特徴"日本公衆衛生雑誌. 50・5. 446-455 (2003)
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[Publications] 金憲経: "高齢者の転倒予防"臨床スポーツ医学. 20・11. 1339-1341 (2003)
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[Publications] T Suzuki, H Yoshida, H Kim, H Yukawa, et al.: "Walking Speed as a good predictor for maintenance of I-ADL among the rural community elderly in Japan : A 5-year follow-up study from TMIG-LISA"Geriatrics Gerontology International. 3S. S6-S14 (2003)
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[Publications] H Yoshida, T Suzuki, H Kim, H Yukawa, et al.: "Effects of osteoporotic fractures on quality of life-related variables in the community elderly in Japan : An 8-year follow-up study in TMIG-LISA"Geriatrics Gerontology International. 3S. S50-S54 (2003)
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[Publications] Hunkyung Kim, Takao Suzuki, Hajime Iwasa, Hideyo Yoshida: "A prospective study of the effects of regular sports practice on mortality among the elderly in a rural community in Japan : An 8-year follow-up study"Geriatrics Gerontology International. 3S. S15-S20 (2003)
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[Publications] 金憲経(分担者)共著: "包括的なプラン作成のために介護予防完全マニュアル"東京都高齢者研究・福祉振興財団. 62-88 (2004)