2002 Fiscal Year Annual Research Report
社会資本ストックの蓄積と産業クラスターの形成からみた北海道経済の空間構造
Project/Area Number |
14580076
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 雄一 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90250399)
|
Keywords | 社会資本ストック / 産業クラスター / 北海道 / 空間構造 / 地理情報システム / 道路交通センサスOD表 / 事業所統計 / 都市システム |
Research Abstract |
本研究は、まず北海道における各種産業の立地を分析するため、1981年以降の事業所統計(市町村別)を中分類レベルで地図データベース化した。本年度は、特に第1次産業について分析を行うため、農業センサス集落カードについても時系列的にデータベース化を行った。地図データベース化を行うに当たっては、地理情報システムを援用した。 本年度行った研究の手順は以下の通りである。まず、北海道農業の動向を、ブール代数アプローチにより分析した。これにより農業集落を単位とする農業活動の詳細を把握できるが、その際、どのような経営属性(規模・年齢別人員構成構成など)の集落が、どのような種類の農業を営んでいるかに注目する。次に、過去の産業連関表を用いて農業と他の産業との関係について分析を行う。これによって、農業が他の産業の誘発に、どの程度寄与しているのかを明らかにする。 分析結果は以下の通りである。農業は構成員の高齢化と栽培面積の大規模化が進んでおり、特に十勝地方では、その傾向が顕著に見られた。十勝地方の大規模農家は平野部で穀物を中心とした栽培を行うものと、山麓部で牧畜を営むものとに分化しており、いずれも農地の大規模化と作業人員の高齢化という傾向を示していた。農業の大規模化は単位あたりの生産コストをおさえ、作物の市場競争力を上昇させるため、北海道農業の優位性は高まっているものと考えられる。しかし、この農業は北毎道における他産業の誘発という点であまり寄与していない。これは北海道における第2次産業の集積が不十分であるため、後方への連関が弱いことが原因と推測される。そこで今後は、第2次および第3次産業の集積を分析し、北海道における全産業の立地動向とその関連性について考察を行うつもりである。
|
Research Products
(1 results)