2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580085
|
Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
石原 潤 奈良大学, 文学部, 教授 (70080265)
|
Keywords | 中国「西部」 / 四川省 / 小城鎮 / 人口移動 / 中国「東部」 / 中国「中部」 |
Research Abstract |
本年度は、発展の遅れている中国の「西部」に所属する四川省を主たる研究対象地域とした。中国全土及び四川省に関する各種研究書、国勢調査を含む各種統計、並びに各種地図を購入した。これらの諸資料の分析を通して、鎮人口の推移、市街地の拡大過程やその要因、政策的背景に関して、基本的な知見を得ることに努めた。なお、資料の整理・分析のため、研究補助者1名を雇用した。その上に立って、当初の予定では平成17年2月から3月に、四川省での現地調査を予定していたが、公務多忙のため出張が不可能となり、年度内の調査は断念せざるを得なかった。現地調査に代わって、本年度には、小城鎮発展の原因にもなり、結果にもなる人口移動に関して、国勢調査を元に統計的分析を行なった。対象地域は、「東部」の江蘇省と広東省、「中部」の河南省、及び本年の研究の重点である「西部」の四川省、陜西省、甘粛省、新彊ウイグル族自治区の、合わせて7地域である。このために学生アルバイター7名を雇用した。 以上の文献調査及び統計分析により、明らかになった点を要約すると、以下のとおりである。(1)四川省の小城鎮発展は低位にあり、鎮域及び鎮区の人口増加も低位であるが、一部の鎮では、積極的な新市街の建設が進められている。(2)四川省でも鎮への移住が奨励されており、周辺農村部での土地の権利を確保したまま鎮で非農業活動を行う者が現れている。(3)江蘇省や広東省には、「中部」及び「西部」の諸省から、大量の人口移動が見られ、それらが大都市のみならず「東部」地域の小城鎮の発展を支えていると推測される。(4)「西部」でも、新彊自治区のように、他省の特に農村部から人口流入が見られる地域があり、政策的要因と絡んで、小城鎮の発展が促進されていると推測される。
|
Research Products
(1 results)