2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580085
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
石原 潤 奈良大学, 文学部, 教授 (70080265)
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Keywords | 中国 / 小城鎮 / 江蘇省 / 河南省 / 四川省 / 市街地 / 郷鎮企業 |
Research Abstract |
平成17年度は最終年度であるので、対象としてきた東部(江蘇省)、中部(河南省)、西部(四川省)について、(1)鎮域及び鎮区(市街地部分)人口の推移、(2)市街地の拡大過程、(3)新規市街地の構成、(4)市街地拡大の要因、(5)その政策的背景を、それぞれ比較検討し、小城鎮発展の地域差を明らかにすることに努めた。過去3年間に購入できなかった地方誌類及び関連図書、国勢調査を含む各種統計、並びに各種地図を補充購入し、上記の考察に資した。資料整理・分析のため、研究補助者2名を雇用した。また、最終年度であるので、研究結果の報告書を作成した。ただし、四川省綿陽市域で予定していた現地調査は、公務多忙のため実施出来なかった。 その結果、明らかになった点は、以下のとおりである。 1)鎮域及び鎮区の人口は、東部で最も伸びが著しく、中部で中位であり、西部で最も伸びが低い。 2)市街地の拡大は、古い鎮を核とし、幹線道路に沿って進展するが、工場団地等の設立により、飛び地状に進展する場合もある。 3)拡大した新市街地の構成は、新たな商店街、行政機関の集積地、新設工場群、並びにそれらの従業員宿舎からなる。 4)市街地拡大の主要な要因は、東部では各種の工業の発展であるが、西部では地方政府主導の新規商店街の建設である。 5)東部では、郷鎮企業の育成策と近年のその民営化政策が順調に進展しているのに対し、西部では工業化は未熟で、出稼ぎ者のもたらす所得をも背景に、鎮をむしろ第3次活動の場として育成する政策が採られている。
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Research Products
(1 results)