2004 Fiscal Year Annual Research Report
雇用のリストラクチャリングと人材派遣ビジネスの地域的展開
Project/Area Number |
14580089
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
友澤 和夫 広島大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (40227640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 哲史 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50223029)
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Keywords | 人材派遣業 / 立地展開 / 東京の優位性 / 労働市場 / 広島県 / 福岡県 |
Research Abstract |
最終年度である本年度は,人材派遣ビジネスの立地展開と労働市場に関する分析を実施し,以下の(1)から(3)に示す成果を得た。 (1)本年度は,まず人材派遣業の設立母体について,大手・中堅企業の98社について分析した。それによれば,(1)個人が設立したもの24社,(2)他の業種の企業や組織が設立したもの65社,(3)国内外の人材派遣業者が設立したもの9社となり,多様性が見出せた。(1)は,ベンチャービジネス的に将来性を読み取って始めたものがほとんどで,創業者の中には立志伝中の人物もいる。(2)については,人材業の将来性や事業の多角化を目指したもののほかに,自社やグループの人材派遣需要に応じたり,退職者の再就職斡旋を目的とするなど,半ば自社の人材ニーズの事業化を出発点としたものがあった。 (2)昨年度実施した大手人材派遣企業の立地分析と対照するために,事業所数が5〜10未満の中小の人材派遣業者の立地展開について分析を実施した。その結果,(1)企業発祥地を中心に周辺県へ事業所を配置する「リージョナル型」,(2)親会社の事業所配置に併せて人材派遣事業所を立地させる「親企業随伴型」,(3)三大都市と広域中心都市に立地する「拠点都市型」の3つがあることが明らかになった。なお,昨年度の成果と今年度の(1)と(2)を併せて,裏面に記した雑誌論文を公表した。 (3)広島県と福岡県について人材派遣業の立地展開と労働市場について考察を実施した。両県とも労働市場において非正規雇用が拡大しているが,企業は事務的部門をコアとペリフェリーに大きく分けて,後者を人材派遣業に委ね始めたことによる。これは,三大都市圏からやや遅れ1990年代から始まり2000年以降にさらに拡大している。
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Research Products
(1 results)