2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580095
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
伊藤 達也 金城学院大学, 現代文化学部, 教授 (60223161)
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Keywords | 水道政策 / フルプラン / 渇水対策 |
Research Abstract |
本年度は研究最終年度に当るため、研究課題において残された課題の実施と報告書の作成を目的とした。 まず、昨年度からの引き続きの作業として対象都市ごとの過去の渇水経験、その時の対策を『水道史』等の資料と、現地での聞き取り・資料収集から明らかにした。現地調査は北九州市と広島市で行い、その上で、統計資料からの類型化との比較を行った。以下、本研究において明らかになったことの概要を説明する。 1.大都市水道政策の類型化 (1)通常の水道整備が第一次オイルショック時までに終了した都市-東京、名古屋、大阪 (2)通常の水道整備が現在までに終了した都市-札幌、仙台、横浜、川崎、京都、神戸、広島、福岡、北九州 (3)現在も通常の水道整備を残している都市-さいたま、千葉 2.水道整備策における類型化 (1)国のフルプランとの関係で整備が行われてきた都市-東京、千葉、さいたま、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡 (2)市単独で整備が行われてきた都市-札幌、仙台、川崎、横浜、広島、北九州 3.渇水対策の類型化 以上の水道政策の類型化を通じて、(1)既に十分な水源を確保し、既存政策の中での対応が可能な大阪、京都、と、(2)既に十分な水源を確保しているものの、フルプランの中でさらに新規水源確保を目指している東京、さいたま、名古屋、(3)市単独で新規水源確保を目指している横浜等に分類することができた。一部を除けば、わが国の大都市は既に渇水対策としての水源確保は終了している。そうした中、フルプランの新規水源施設計画に拘束された都市において、現在もダム建設が進められていることが、他の渇水対策の選択肢の選択を妨げている。
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