2004 Fiscal Year Annual Research Report
北海道十勝地域における開拓期の人為的作用による自然環境への影響に関する検討
Project/Area Number |
14580099
|
Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
山縣 耕太郎 上越教育大学, 学校教育学部, 助手 (80239855)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 一臣 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (40126652)
倉茂 好匡 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (20241383)
長谷川 博 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (00090457)
|
Keywords | 十勝平野 / 人為作用 / 湿原堆積物 / 環境同位体 / 浮流土砂 / 粒度分析 / ヨシ / 遺伝子 |
Research Abstract |
キモントウ沼,湧洞沼,および生花苗沼において湖底堆積物コアを採取した.これらのコアについて,環境同位体,粒度組成,帯磁率,炭素含量に関する分析を行った.その結果,最近数十年に粒度の増加が確認されるとともに,それに先行する帯磁率の上昇が確認された.また,堆積物の供給源を検討するため,湧洞沼流域の多数の地点において土壌調査を行った.土壌断面の観察と帯磁率の分析から,森林では,表層土壌の浸食がほとんど認められないが,牧草地では,表土が著しい攪乱を受けていることが確認された.また,攪乱を受けていない場所では,表層ほど帯磁率が大きくなる傾向が確認された.これは,土壌微生物および森林火災の影響と考えられる. 耕地面積の拡大状況が異なる3流域、農野牛川、生花苗川、当縁川において河川氾濫堆積物の記載・編年をおこなった。3流域に共通して、地表付近には比較的粗粒で斜交葉理の伴う砂層があり、その下位にはシルト層が位置する。駒ケ岳c1テフラ(1856年噴出)との層序関係を考慮すると、河川氾濫堆積物が粗粒化するのは、いずれの流域でも1856年以降である。また、137Cs含量分析により、1960年代の層準を推定した。その結果、粗粒化の時期は、農野牛川流域では1960年代以前、当縁川流域では1960年代直前ごろ、生花苗川流域では1960年代以降である。これら粗粒化の時期は、耕地の急激な拡大時期とほぼ一致する。 土砂の移動に伴うヨシの侵出過程を検討するため,当縁川下流自然堤防上のヨシ起源地を実証するため、当地のヨシの有力な起源地と思われる一支流沿いのヨシ群落を探索した。その結果、河川浸食を現在も受けつつあるヨシ群落をアイソザイム変異から推定される起源地近くに発見した。さらに、当縁川下流の湿地のヨシ群落についてはDNAマーカー(AFLPを採用)多型性による群落成立のための解析の可能性について検討を加えた
|
Research Products
(3 results)