2002 Fiscal Year Annual Research Report
衛星画像を用いたヒマラヤ東部地域の氷河縮小・氷河湖拡大の解明
Project/Area Number |
14580105
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岩田 修二 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60117695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 周二 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (80295469)
中山 大地 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90336511)
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Keywords | 衛星画像解析 / ブータン / チャブダ氷河湖 / 氷河湖危険度評価 / 氷河湖拡大 / 氷河変動 / 氷河後退 / GIS技法 |
Research Abstract |
コンピュータと衛星画像解析ソフトを購入し,装置・ソフトの利用法を習得した.さらに,ブータンのASTER,SPOTなどの衛星画像を入手し,かなりの範囲の解析作業をおこなった.その結果を用いて,1998年におこなったスノーマントレック沿いの氷河湖危険度評価調査の結果を論文にまとめた(Iwata et al.,2002a).多くの氷河湖は,1980年代に大きく拡大した事がわかった.2-3の特に危険な氷河湖を特定することができた.また,リンシー地区とルナナ地域の,最終氷期以来の氷河変動を明らかにした.それは,東ネパール,クンブ地域の氷河変動の傾向とよく一致していた.この結果も論文にした(Iwata et al.,2002b). 解析作業の過程で,中央ブータン,チャムカール川流域源頭のチャブダ氷河湖が非常に危険であるということが判明したので,衛星データの画像処理をおこない,GIS技法によってマッピングした.その結果をブータン政府に報告した結果,2002年9-10月にチャブダ湖の野外調査を実施する機会を得た.その結果をブータン政府に報告できた.チャブダ氷河湖のGLOFの潜在的な決壊の危険性は大きいが,さしあたっての危険は少ないと判断した.氷河変動についても解析結果をまとめた(Karmaほか,2003).氷河は大きく後退している.インド・ヒマラヤのガルワルでも,一部の氷河の解析をおこなった.いくつかの氷河は大きく後退していることがわかった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] IWATA, S.: "Glacial lakes and their outburst flood assessment in the Bhutan Himalaya"Global Environmental Research. 6巻1号. 3-17 (2002)
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[Publications] IWATA, S.: "Three Holocene and late Pleistocene glacial stages inferred from moraines in the Lingshi and Thanza village areas, Bhutan"Quaternary International. 97/98. 69-78 (2002)
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[Publications] 岩田修二: "ヒマラヤの環境変動と多発する自然災害"科学. 72巻12号. 1233-1236 (2002)
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[Publications] KARMA: "Glacier distribution in the Himalayas and glacier shrinkage from 1963 to 1993 in the Bhutan Himalayas"Bulletin of Glaciological Research. 20巻. 29-40 (2003)