2004 Fiscal Year Annual Research Report
屋敷林植生による環境改善機能の量的・空間的評価と屋敷林の保存・育成に関する研究
Project/Area Number |
14580106
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
菊地 立 東北学院大学, 教養学部, 教授 (80221208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 政広 東北学院大学, 教養学部, 教授 (30187075)
元木 靖 埼玉大学, 教養学部, 教授 (00092023)
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Keywords | 屋敷林 / 二酸化炭素吸収量 / 農村景観 / 地球温暖化対策 |
Research Abstract |
屋敷林の現地調査として、前年にひきつづき宮城県名取市内の農家において気温の連続観測、屋敷林内5カ所におけるリタートラップを用いた植物生産量調査を継続した。気温観測結果では、屋敷林に囲まれた前庭、屋敷畑と樹林の境界、樹林内部および外側の水田の4地点の間に気温日変化パターンの違いがあり、その差違が季節的にも変化することが把握できた。また、林内の落葉・落枝調査の結果によれば、落下量の季節変化において5月ごろと11月頃の2回のピークが認められた。前者は開花期、後者は紅葉・落葉期に相当する。この値をもとに単位面積あたり年間の落下量を求めると、571.25g/m^2となり、これをCO2量に換算すると838.5g/m^2となった。 昨年度に実施した樹木の胸高直径と樹高との関係についての測定結果を用い、実測した樹木径と推算した樹木高から樹木の体積をもとめ、屋敷林全体の樹木現存量を体積として推算した。その結果から対象とした屋敷林に現存する単位面積あたり樹木量は31.5kg/m^2となり、これをCO2量に換算すると51.3kg/m^2となった。 また、屋敷林の衰退傾向を把握するため、各農家の意向調査と、空中写真を用いた比較調査を行った。研究分担者の元木が茨城県、おなじく佐久間が宮城県において農家を回り、聞き取り調査の方法で屋敷林の功罪、維持管理の現状や、将来展望などを聴取した結果、近い将来劇的に衰退することはないにしても、継続的に減少傾向にあることが予想された。空中写真調査は、1961年撮影の写真と2001年撮影の写真からそれぞれ屋敷林を抜き出して比較し、40年間の変化を求めた。これについては現在作業中であり、今年中にこれまでの研究結果を加えデータベースとして完成の予定である。
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Research Products
(1 results)