2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本における地図学の現状と2010年を目標とした将来展望
Project/Area Number |
14580107
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
森田 喬 法政大学, 工学部, 教授 (60267325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸祭 由美夫 奈良女子大学, 文学部, 教授 (60032322)
小林 浩二 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30111793)
野上 道男 日本大学, 文理学部, 教授 (50087144)
碓井 照子 奈良大学, 文学部, 教授 (30068829)
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Keywords | マップ / マッピング / ユビキタス・マッピング / 地図のルネッサンス / カー・ナビゲーション / モバイル / ケータイ / IT |
Research Abstract |
地図は、ITと結合することによって新たな力を獲得しつつある。国際地図学協会(ICA : International Cartographic Association)では、2003年夏に南ア連邦で開催される国際地図学会議・総会において2012年を目標とする「戦略計画」を提案することになっている。これは、近年の地図学をめぐる環境の激変に伴う混乱を整理し、地図学の向かうべき方向性を明らかにするためである。ICA加盟の地図学先進諸国では、ITがらみの環境変化にいち早く適応し、「物としての地図(MAP)」から「システムとしての地図(MAPPING)」研究へと脱皮し、作成・利用上の体系化・理論化も進展しつつある。一方、わが国においては、例えば電子地図を媒介として情報表現が行われるカーナビゲーションやケータイにみられるように、地図の身近で双方向性のある動的な利用(UBIQUITOUS MAPPING)では世界の先端を走っているにもかかわらず、その体系的な理論化の研究は遅れているなど、研究動向に歪みが生じてきている。今後、バランスの取れた地図学の発展を期するには、わが国における地図界の現在を俯瞰し、「地図」の持つポテンシャルを再確認し、今後優先的に取り組むべき主要課題を明らかにすることが肝要であると考えられる。これは、新しいITを考慮しつつ更に人々が本来「地図」に何を期待しているのかを明らかにしていくことでもある。このような観点から文献調査、ヒアリング、シンポジウムにおける報告と討議を通じて知識の集約に努めた。一次結果を、シンポジウム「地図のルネッサンス」の予稿集(78頁)としてまとめた。
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