盆地の気候風土に対応した住まいの空間構成と住生活に関する研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14580113
• Research Institution: University of Yamanashi
• Principal Investigator: 田中 勝 山梨大学, 教育人間科学部, 助教授 (70202174)
• Keywords: 盆地 / 住まいづくり / 甲斐の家 / 気候風土 / 住文化 / 木造住宅 / 住教育

Research Abstract

本研究は甲府盆地における実態調査並びに全国類似都市との比較から、盆地の生態系、歴史・文化、生活様式が育んできた住空間の構成原理と住生活実態について考察することを目的としている。本年度は研究期間の中間年度として、(1)盆地の気候風土に根ざした住まいづくりのアイデア分析、(2)甲斐の家2002モデルハウス建設過程の記録、(3)甲府盆地の住環境と居住実態に関する事例調査、(4)木造住宅平面の地域性とその変容、(5)山梨の気候風土に対応した住まいづくり実践、の5点について重点的に検討した。主な研究成果は以下の通りである。
1.山梨県が平成13年度から実施している「甲斐の家アイデア募集事業」の応募作品(作文、絵画、図面)を詳細に分析し、山梨県の気候風土や生活スタイルに根ざした県民の居住ニーズを明らかにした。2.平成15年度甲斐の家プロジェクトに参画し、建築士・林業関係者・住民等とともにワークショップを重ね、「家族と共に成長する住まい」をテーマとする甲斐の家2003を提案した。3.最終年度に作成する住教育教材の素材とするために甲斐の家2002モデルハウスの建設過程を画像や映像等のデジタルデータとして記録した。4.山梨市下井尻地区・七日市場地区を対象に居住者アンケート調査を行い、盆地の住環境や現住宅に対する評価、年中行事、気候風土に対応した住生活の実態を明らかし、その結果をもとに山梨市らしい住まいを具体的に提案した。5.県内の大工・工務店が昭和30〜40年代に供給した木造軸組工法住宅の平面図を収集し、住宅規模、居室構成、階数、室名呼称等の地域的、経年的な特徴を整理した。6.山梨県建築士会所属の建築士432名を対象にアンケート調査を実施し、山梨の気候風土の特徴、最近の住宅建設状況、建築主の要望を把握・分析した。また、山梨の気候風土や環境条件、ライフスタイルなど地域に根ざした住宅設計例を収集した。