2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全を考慮した吸水性衛生材料の性能設計と環境教育への応用
Project/Area Number |
14580116
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
與倉 弘子 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (50165784)
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Keywords | 衛生材料 / おむつ / トイレットペーパー / 表面特性 / 力学特性 / 肌触り |
Research Abstract |
本研究は環境保全を考慮した吸水性衛生材料の性能設計システムの確立を目標としている。ここでは吸水性衛生材料として、寝たきり高齢者・乳幼児用おむつや尿取りパッドと、ティシュペーパー・トイレットペーパー等の不織布材料の性能設計に着目する。吸水性衛生材料の素材性能としては、皮膚に接した時の肌触りやタッチのよさに関わる表面特性・力学特性、人の熱バランスとの適合性に関わる熱・水分・空気の移動特性を取上げた。 まず、おむつについては、繰り返し使用できる布おむつや布製パッドとの併用を念頭に、市販の布おむつ・布パッド数種類について、その表面特性・力学特性、吸水性の範囲と特徴を捉えた。布おむつ(積層布)は紙おむつ49種類の平均値と比較すると、厚さと重さが約二倍、表面粗さが約三倍、液戻り量は約四倍であった。他の表面特性、圧縮特性は肌触りのよい紙おむつの特性値の範囲にあることが捉えられた。 トイレットペーパーについては、市販の39種類の試料(ダブルタイプ)について、成人女子50名を被験者として肌触りの良否の主観評価を行った。そして、主観評価値と素材の表面特性・力学特性との関係を捉えた。トイレットペーパーの肌触りの良否は表面摩擦係数の変動、曲げ剛性、せん断剛性と有意に相関し、これらの値が小さいものほど肌触りが良いと評価されることが捉えられた。さらに、多変量解析により、これらの特性値を用いて肌触りの良否を客観的に予測する実験式を導いた。また、再生紙による製品は純パルプ製品より肌触りが悪い傾向が示されたが、再生紙でも評価の高い試料があり、再生紙の性能向上に関わる具体的指針を得ることが出来た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Yokura, M.Niwa: "Objective Hand Measurement of Nonwoven Fabrics Used for The Top Sheet of Disposable Diapers"Textile Research Journal, 2003. 73(in press). (2003)
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[Publications] S.Sukigara, H.Yokura, T.Fujimoto: "Compression and Thermal Properties of Recycled Fiber Assemblies Made from Industrial Waste of Sweater Products"Textile Research Journal, 2003. 73(in press). (2003)
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[Publications] H.Yokura, S.Kohono, M.Iwasaki: "Objective Hand Measurement of Toilet Paper"Proceedings of the 31^<st> Textile Research Symposium at Mt. Fuji. 195-201 (2002)