2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境保全を考慮した吸水性衛生材料の性能設計と環境教育への応用
Project/Area Number |
14580116
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
與倉 弘子 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (50165784)
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Keywords | 衛生材料 / おむつ / 紙タオル / 表面特性 / 力学特性 / 使用感 |
Research Abstract |
本研究は環境保全を考慮した吸水性衛生材料の性能設計システムの確立を目標とする。ここでは、吸水性衛生材料として、寝たきり高齢者・乳幼児用おむつや尿取りパッドと、トイレットペーパー、紙タオル等の不織布材料の性能設計に着目する。素材性能としては、皮膚に接した時の肌触りやタッチのよさに関わる表面特性、力学特性を取上げた。 まず、おむつについては、繰り返し使用できる布おむつや布製パッドと紙おむつの併用を念頭に、市販の成形型布おむつパッド数種類について含水状態における表面特性の変化と特徴を捉えた。成形型おむつパッドはドビー織おむつに比べて含水時の摩擦係数の増加が少ない傾向が捉えられ、紙おむつとの併用に関する基礎資料を得た。また、大津市と丹波笹山市の乳幼児健診受診者205名を対象におむつの使用に関する聞き取り調査を行った。紙おむつの使用は八割を超え、二割はごみの増加を認識しているが、洗濯等の家事労働を軽減するために紙おむつを使用している実態が数量的に捉えられた。 紙タオルについては、業務用市販品32種類の試料について男女大学生30名を被験者として使用感に関する主観評価を行ない、主観評価値と素材特性との関係を捉えた。紙タオルの肌触りの良否は表面摩擦係数の変動、曲げ剛性、せん断剛性と有意に相関し、これらの値が小さいものほど柔らかく滑らかであると評価される傾向が捉えられた。古紙品でも評価の高い試料があり、再生紙の性能向上に関わる具体的指針を得た。また、紙タオルの使用に関するアンケート調査を10〜50歳代の消費者100名を対象に実施した。紙ごみが気になるという意見は二割あったが、七割は設置されていたら使うと回答しており、ごみは意識しているがごみを減らす消費行動には至らない状況を把握した。また、20代以降の若年層にハンカチの携帯率が低い傾向が捉えられ、環境学習の必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)