2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応型洗浄システムの開発のための洗浄力評価法の検討
Project/Area Number |
14580117
|
Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
後藤 景子 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (30243356)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 由美子 聖母女学院短期大学, 生活科学科, 講師 (40207808)
|
Keywords | 水系洗浄 / 水晶振動子 / 高分子膜 / エタノール / 表面自由エネルギー / ラングミュアーブロジェット膜 / 付着仕事 / エキシマ紫外光 |
Research Abstract |
水晶振動子法を利用して幾何学的に単純なモデル洗浄系の作成を試みた。水晶振動子の表面にポリエチレン、ナイロン6およびアセテートのスピンコート膜を作成した。原子間力顕微鏡を用いて膜表面の形態観察を行ったところ、平均表面粗さは数十nm以内であった。接触角測定法により各膜の表面自由エネルギーを評価したところ、酸-塩基成分の大きさは膜の化学構造と矛盾がなく、作成したスピンコート膜は洗浄のモデル基質として適当であると判断された。そこで、モデル固体汚れとして球形ポリマー粒子を用いて、水中での膜表面への再付着現象を調べたところ、膜の種類により付着粒子数が大きく異なるが、いずれの膜でもアルコール添加による再付着抑制効果が認められた((社)日本家政学会第54回大会で発表)。次に、上記の膜にモデル油汚れとして高級脂肪酸の薄膜をラングミュアーブロジェット法により付着させ、水中で超音波洗浄を行った。脱離率は膜の種類により大きく異なり、いずれの場合でもアルカリ、界面活性剤およびエタノールの洗浄効果が認められた(第34回洗浄に関するシンポジウムで発表)。以上、汚れの洗浄性は基質表面の性質に大きく依存することが確認されたので、次に、表面加工が洗浄性に及ぼす影響を調べることにした。膜表面にエキシマ紫外光を照射し、まず、処理前後の表面自由エネルギーを接触角測定法で、表面の化学組成をX線光電子分光法で、表面形態を原子間力顕微鏡でそれぞれ評価した。その結果、紫外光照射により、表面酸素濃度が増して表面自由エネルギーが増大していることがわかった。一方、表面の凹凸はやや増大する程度であった。これらの基質を用いた洗浄実験は次年度行う予定である。
|