2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応型洗浄システムの開発のための洗浄力評価法の検討
Project/Area Number |
14580117
|
Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
後藤 景子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (30243356)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 由美子 聖母女学院短期大学, 生活科学科, 講師 (40207808)
|
Keywords | 水晶振動子 / 高分子基質 / エタノール / 接触角 / 表面自由エネルギー / 浸透ぬれ / 酸-塩基相互作用 / エキシマ紫外光 |
Research Abstract |
水晶振動子上にセルロースアセテート、ナイロン6またはポリエチレン膜をスピンコート法で被覆する方法で洗浄基質を作成し、水晶振動子の周波数変化から汚れの付着重量を求める方法で洗浄性を評価した。油汚れのモデルとして水面上の高級脂肪酸単分子膜を基質上に累積し、水溶液中で超音波洗浄を行った。セルロースアセテートからの洗浄率が最も高く、次いでナイロン6、金、ポリエチレンの順となった。どの基質でもエタノール、界面活性剤およびアルカリの添加が洗浄率を増加させるという結果が得られた。得られた脱離率は前進接触角や表面自由エネルギーから算出した汚れ-基質間への洗浄液の浸透に伴う自由エネルギー変化の大きさとよく対応した。次に、固体粒子汚れのモデルにナイロン粒子とポリエチレン粒子を用いて、水分散液中からの基質への粒子付着現象を調べた。みかけの平衡付着粒子数はナイロン粒子に較べてポリエチレン粒子の方が多く、また、基質間でかなりの差異が認められた。いずれの系でもエタノールを添加すると粒子付着が著しく抑えられる傾向が認められた。拡張DLVO理論に基づき、電気二重層間の相互作用、Lifshitz-van der Waals相互作用、および酸-塩基相互作用の和として、粒子-基質間の全相互作用ポテンシャルエネルギー曲線を算出した結果、粒子付着性が酸-塩基相互作用に大きく支配されていることが示唆された。 一般に水系洗浄では、疎水性基質は不利であり、表面の親水化が洗浄性を高めるために有効であると考えられる。そこで、各種高分子フィルムを基質として用い、172nmのエキシマ紫外光を照射して表面の改質を試みた。どのフィルムも数十秒以内の照射で水の接触角が著しく減少し、親水化されたことが確認された。紫外光照射前後の基質に対する粒子付着性を種々の液体中で調べた結果、紫外光照射により粒子付着が激減することがわかった。
|
Research Products
(3 results)