2002 Fiscal Year Annual Research Report
足部の発汗に対する靴の順応機能の相違が足部の快適性に与える影響
Project/Area Number |
14580128
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
成瀬 正春 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (30156004)
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Keywords | 発汗 / 水分移動量 / 靴 / 快適性 / 吸水性 / 吸湿性 / 透湿性 / モデル実験 |
Research Abstract |
夏季には、靴内気候の高温多湿化によりべとつき感や蒸れ感などの足部の不快感をよく経験する。この不快感を解消するためには、靴内で発生した足部の汗と熱を素早く靴外に移動させる順応が靴に取り入れられていることが重要である。本研究では、足部で発生した汗を靴外へ移動させる靴の順応機能の相違が足部の快適性に与える影響について、靴の吸湿性水分移動量、透湿性水分移動量および換気由来水分移動量を分別して測定することにより明らかにする。平成14年度においては、靴内で発生した汗の靴外への移動を明らかにするために、水分移動特性評価試験機、発汗モデル足およびモデル靴を試作し、発汗モデル足からモデル靴への吸湿性水分移動量および透湿性水分移動量を測定した。発汗モデル足は、透湿防水布で足型の袋を作製し、袋内に30℃の水を充満した。モデル靴は、アクリル製の円筒枠に皮革を巻き付け円筒状の靴を作製した。水分移動特性評価試験機は、2台の上皿天秤(A・B)と2台のコンピューター、および定滑車2台を固定したアクリルボックスより構成されている。実験は、発汗モデル足をワイヤーで吊り下げ定滑車2台を通過後、上皿天秤(A)の上に載せた1kgの分銅に固定した。一方、アクリル製の円筒枠に皮革を巻き付けたモデル靴をもう一台の上皿天秤(B)に載せ、モデル靴内部に発汗モデル足を円筒に触れないように宙づりとした。ワイヤーは円筒状のモデル靴上部に開けた小穴より外部に導いた。上皿天秤(A)の重量変化と上皿天秤(B)の重量変化を継続的にコンピューターに読みとり、発汗モデル足の発汗量およびモデル靴への吸水量を測定した。現在は、靴外の温度を15〜30℃、靴外の湿度を30〜80%にかえた時の発汗モデル足の発汗量およびモデル靴の吸湿性水分移動量および透湿性水分移動量の測定を継続中である。
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