2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580136
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
鈴木 恵美子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (80154524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 忠男 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 教授 (60011920)
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Keywords | 健康 / ビタミンC |
Research Abstract |
本年度は体内酸化をうけやすい糖尿病を実験用小動物に発症させて飼育し、ビタミンCの尿中排泄量や組織中ビタミンC量を測定してビタミンCの体内状態を調べた。実験用動物には体内でビタミンCを合成できないODSラットを用い、ストレプトゾトシンを腹腔内投与して糖尿病を発症させた。ODSラットにはビタミンC10mgを経口投与して、28日間および61日間飼育した。ビタミンC測定はHPLCを用いて行った。ストレプトゾトシンを投与したラットの尿中グルコース排泄量は非常に多く、糖尿病を発症したことが確認された。飼育期間中の正常ラットの体重は順調に増加したが、糖尿病発症ラットでは体重の増加抑制が見られた。糖尿病発症ラットの尿中総ビタミンC排泄量は正常なラットよりも多かった。肝臓中の総ビタミンC量を比べると、飼育28日間の短期でも61日間の長期でも、糖尿病発症ラットの方が正常ラットよりも低い傾向が見られたが、副腎中では短期間飼育で、肝臓と同様な傾向が見られた。また、体内の酸化の程度の指標となるTBA値をみると短期間飼育での糖尿病発症ラットの血漿TBA値は正常ラットよりも高い傾向が見られた。体内抗酸化酵素である血漿SOD活性は短期飼育および長期飼育のいずれの場合も、糖尿病発症ラットと正常ラットの間に差は認められなかった。 血漿TBA値からみて糖尿病発症ラットの体内は正常ラットに比べて酸化の程度が高いものと思われる。体内抗酸化機構に関与しているビタミンCの組織中量は投与ビタミンC量が等しいにも関わらず、糖尿病発症ラットの方が正常ラットより低かった。このことから糖尿病発症ラットのビタミンC栄養状態は低く、体内は酸化されやすいことが認められた。
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