2002 Fiscal Year Annual Research Report
特別食におけるレシチンとコレステロール含有量の実態調査
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14580143
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Research Institution | Hiroshima Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
石永 正隆 県立広島女子大学, 生活科学部, 教授 (70110765)
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Keywords | 肥満傾向児 / 治療食 / コレステロール / レシチン / 1日摂取量 / コリン / アセチルコリン |
Research Abstract |
【目的】 コリンは神経伝達物質であるアセチルコリンなどの多くの重要な生体化合物の構成成分である。コリンの主要な供給源はレシチンで、食物から摂取されており、卵類、豆類、肉類などに多く含まれている。 一方、高コレステロール血症として診断されていない人も血液検査でコレステロール値が高いと、コレステロールを含む食品を避けるようになってきている。 今回は、予備実験として、肥満傾向児童の食事のレシチン摂取量とコレステロール摂取量との相関性を調べ、非肥満児の場合と比較し、また、予備的に病院給食についても同様のことを調べた。 【食事試料】 学童:試料提供対象者は児童121名(内42名が肥満度20%以上の肥満傾向児)で、試料は1日に摂取した飲食物とほぼ同じ飲食物。病院食:4箇所の病院より得られた治療食や一般食26食。 【結果】 肥満傾向児のコレステロール摂取量とレシチンの摂取量の相関性を調べた結果、相関性はr=0.869(P<0.001)、で回帰直線はy=0.0068x-0.1047(yはレシチン摂取量g/day、xはコレステロール摂取量mg/dayである。以下同様)であった。一方、非肥満児の場合は、r=0.942(P<0.001)で肥満傾向児よりも高かった。また、y=0.006x+0.1595であった。 一方、病院給食ではr=0.9779と、著しく高い相間性を示し、y=0.0058x-11.523であった。 上記の結果より、コレステロール摂取量とレシチン摂取量はかなり高い相関性があることがわかった。特にきちんと栄養管理された病院給食においては相関係数がほぼ1に近い値となり、レシチンの摂取量がほとんどコレステロール摂取量に依存していることがわかった。つまり病院のように栄養バランスを考えた食事メニューは必然的にそのような結果を与えることがわかった。逆に見れば、コレステロール摂取を抑制するようなメニューはレシチンの摂取量を抑制してしまうことになる。
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