2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580150
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
西村 公雄 同志社女子大学, 生活科学部, 教授 (60167567)
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Keywords | ビタミンC / 品質改良 / 卵白アルブミン / 牛血清アルブミン / チィールラジカル / 活性酸素 / スーパーオキシドアニオンラジカル / 電子スピン共鳴法 |
Research Abstract |
【目的】昨年度,小麦グルテンを限定的に加水分解して調製したペプチドを用いてO^-_2を作用させS・の発生をESRにより直接認めることができた。これは,申請者の提唱するビタミンC食品品質改良機構がパンの系でも成り立つことを示唆するものであった。本年度は,タンパク質上でもO^-_2を作用させることでS・が発生するか否かを検討することで,本仮説が,タンパク質系ゲル状食品全般になり立つものであることを証明することを目的とした。 【方法および結果】タンパク質として市販の卵白アルブミン(OVA)及び牛血清アルブミン(BSA)を用いた。BSAはジチオスレイトールを用いてSS結合を開裂させた。OVAを0.2Mリン酸緩衝液,pH6.0,に8.1%となるように,また,BSAは0.2Mリン酸緩衝液,pH7.0に5.0%となるように溶かし、それぞれ同時に0.2μMのリボフラビンおよびスピントラップ剤として75mMの5,5-Dimethyl-1-pyrroline-N-oxideを共存させた。光照射し,スーパーオキサイドアニオンラジカル(O^-_2)を発生させたところ,両タンパク質において4本線のシグナルを電子スピン共鳴(ESR)法にて検出した。このシグナルは,スーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)(OVAの場合2000units/ml, BSAの場合200units/ml)の存在下では強度が有意に減少したが、加熱変性させた同濃度のSODの共存下では減少しなかった。また、N-Ethylmaleimide(40mM)処理した還元前のOVAおよび未還元のBSA(SH基量はほぼ0)を用いてO^-_2を作用させると,同様のシグナルは現れなかった。これらのことは,O^-_2により両タンパク質上にS・ラジカルが生じていることを示していた。
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