2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14580153
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Research Institution | Hiroshima Jogakuin University |
Principal Investigator |
奥田 弘枝 広島女学院大学, 生活科学部, 教授 (50142625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 禎人 九州栄養福祉大学, 食物栄養学部, 教授
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Keywords | 高分子アルギン酸 / 低分子アルギン酸 / 硝酸アルミニウム / 乳酸アルミニウム / 結合能 / アルミノン比色定量法 |
Research Abstract |
アルギン酸は、D-マンヌロン酸とL-グルロン酸の2種のウロン酸を構成糖とする酸性高分子多糖である。この多糖の持つイオン交換反応性から、アルギン酸は、各種の有毒物排泄の促進や、金属イオンによる体内汚染を防ぐ効果が認められている。一方、アルミニウムは土壌中に多く存在するため、植物などの食品自体にある程度含まれていることから、飲料水や食物などからの摂取や各種の調理器具さらに食品添加物(保存料、着色料など)などからの摂取が避けられない状況にある。近年、アルミニウムとアルツハイマー病や透析痴呆との関連性が確認されている。そこで、アルギン酸が生体へのアルミニウム吸収を抑制することが可能ではないかと考え、アルミノン比色法によって、両者の結合能を調べ、次のような結果を得た。 硝酸アルミニウムとの結合能が強いアルギン酸は、ナトリウム型>カルシウム型>水素型の順であった。また、乳酸アルミニウムとの結合能が強いアルギン酸は水素型>ナトリウム型カルシウム型であった。低分子水素型アルギン酸および低分子アルギン酸ナトリウムは、高分子型のそれらのアルギン酸と比較して反応時間と反応液の濃度で両者にやや異なった傾向がみられたものの、ほぼ同じ結果が得られた。低分子アルギン酸カルシウムの方が高分子アルギン酸カルシウムよりもアルミニウム結合能が大きかった。また、反応時間(0〜90分)、温度(15〜90℃)、濃度(0.005〜0.5モル)、pH(3〜7)等の条件の組み合わせによって、アルギン酸とアルミニウムとの結合能を100%にすることが可能であった。
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